黒き心を無くして、丹き心を以ちて、清潔く斎慎み、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り右に廻る事も万事違ふ事なくして、太神に仕へ奉れ。
元を元とし、本を本とする故なり。
当ブログ管理人の一文字です。
愛知県岡崎市の田舎神主。
融通の利かない頑固者です。
神社のこと、神道のこと、
世の中のこと、日々の出来事、
家族のこと、などなど。
私、一文字が、
気分次第で記していきます。
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「心の宅急便」
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- 2009年08月04日の記事
FMおかざき「心の宅急便」の43回目の放送です。
今日は久しぶりにスタジオからの放送になりました。
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ようやく梅雨明けし、夏本番になってきました。
夏休みに色々なところに旅行を計画されている方も多いと思います。
そこで、今日は旅につきものの「おみやげ」の話をしましょう。
「日本人はお土産好き」だと言われます。
確かに、旅行に出かけると、ついつい色んな物を買っちゃいますよね。
昨今話題になりましたが・・・伊勢の赤福、北海道の白い恋人、・・・・色んな土産物があります。
中には、パッケージだけが異なり中身は同じというようなものもあるみたいですが、やっぱり、 その土地ならではの「おみやげ」が一番ですね。
さて、「みやげ」を漢字で書くと「土産」ですが、実はこの二つ、もともと別の言葉だったそうです。
「みやげ」という言葉に、室町末期以降に「土産」の字があてられたとも言われています。
調べてみますと、「みやげ」は、もともとは「宮笥」なんだそうです。
「宮(みや)」は「お宮」ですね。神社のことです。
「笥(け)」は「食事を入れる器、食器。」のことだそうです。
お宮で使う食器と言えば、神さまのお食事(お供え物)をのせる土器が思い浮かびます。
この素焼きのお皿は「かわらけ」ともいいます。「かわらけ(瓦笥)」ですね。
また、「け」は食事そのものも指します。
神さまへのお供えは、 「御饌(みけ)」といいますし、一般でも「朝食(あさげ)」「夕食(ゆうげ)」と言ったりしますね。
「け」が「食器や食事」を表すことがお分かりいただけると思います。
少々脱線しますが・・・
現在でも神事の後には「直会(なおらい)」という行事を行います。
神さまにお供えした御神酒をお下げして、それを参列者全員でいただく儀式です。
神さまにお供えした物を、我々も一緒にいただくこと、神さまと同じ食事をすることによって、神さまと心を通じ合わせ、御神威や御利益をいただくことになるのです。
お宮参りや七五三などで神社にお参りした際、神社から御札や御守りと一緒に、「神饌」とか「撤饌」と書かれた食品を受けられたことのある方もみえるでしょう。
これも「直会」の信仰と同じです。神さまと同じ食事をすることに意味があるのです。
「おさがり」とも言いますね。
皆さんは伊勢神宮で御神楽をあげたことがありますか?
神楽殿で御神楽を奉納すると、最後に直会の御神酒をいただきます。
素焼きのかわらけでいただくのですが、使った「かわらけ」はそのままいただいて帰ります。
まさに「おみやげ」そのものですね。
話が「おみやげ」に戻ったところで、
「土産」についてお話ししましょう。
「土産」は「とさん」とか「どさん」と読みます。
文字通り、その土地の産物という意味です。
どうです?違いがお分かりでしょうか。
「みやげ」は、「お宮のおさがり」
「土産」は、「その土地の産物」
を表す言葉だったんですね。
もっとも、有名な大きな寺社には、多くの参詣者が集います。
その参詣者をあてこみ、その門前には市が立ちます。
「楽市楽座」なんてのも歴史で習ったんじゃないでしょうか。
そしてそれがやがて門前町に発展していきます。
その市や門前町で売られるのが、その土地の特産物なんですね。
参詣者はお参りのお下がりと共に、そこで特産物を買い求めたに違いありません。
そのあたりから、「みやげ」と「土産」が混同していったのではないかと思います。
古くは、旅といえば神仏詣でつまり寺社参拝旅行がメインでした。
弥次さん喜多さんの珍道中「東海道中膝栗毛」も、お伊勢まいりのお話しです。
熊野詣でや、善光寺まいりなどもそうですね。
御利益を求めての修行の意味もあったかも知れません。
今のように交通手段も発達していませんし、関所もありました。
何日もかけての参拝旅行ですから、お金もかなりかかります。
今のようにとても気楽にはいけません。
「旅=信仰」であったとも言えるでしょう。
もう一つ「代参」の制度もありますね。
伊勢講や秋葉講などを組織して、村の人々がお金を出し合い、交替で誰かがその講を代表して伊勢神宮などにお参りに行くというものです。
今尚、この代参が残っているところもあります。
代表してお参りするのですから、村の人たちの分も「神札」(いわゆる「おみやげ」ですね)などをうけて帰ります。そしてそれを土産話と共に村人に配るのです。
これが、旅立つ者へ餞別を渡す習慣、旅から帰ってお土産を近隣に配る習慣のもとになったとも考えられます。いかがでしょうか?
このようにみてみますと、「おみやげ(宮笥)」は、「参詣した寺社の御利益を近隣のひとに分け与えるもの」とも言えます。そこにあるのは敬虔な信仰心なんですね。
一方、信仰的な要素のない普通の贈り物、つまり今のおみやげに近い意味では、「つと(苞、苞苴)」という言葉がありました。 「家づと」とか「都のつと」と使います。
「つと」は「つつむ」「つつ」と同根のようですが、
元は、①「わらなどを束ねて、その中に魚・果実などの食品を包んだもの。」の意で、
転じて、②「他の場所に携えてゆき、また、旅先や出先などから携えて帰り、人に贈ったりなどするみやげもの。」の意になりました。
「おみやげ」は尊い贈り物、「つと」は普通の贈り物だったんですね。
「おみやげ」のもともとの意味をご理解いただけたでしょうか?
現在の「お土産」も、楽しい旅行の幸せな気分のお裾分けであることには変わりありませんが、それに信仰心をプラスして、 たとえ観光旅行であっても、その土地の寺社にお参りしていただければと思います。
日本全国色んなところにその土地をお守り下さっている神社があります。
是非、道中安全を祈願しがてら、その土地を訪れた御挨拶で、その土地の神社にお参りしてみてください。
そうすれば、普段の旅と一味ちがった、有り難い旅になると思います。
そして帰ってから配るお土産も神さまの御利益が加わって、さらに内容の濃い「お宮笥」になると思います。
「自分だけが楽しむのではなく、周りの人と幸せを分かち合う」
これが、日本人の良いところではないでしょうか?
そういえば・・・。
「名物に旨い物なし」という諺がありますね。
とかく名物といわれるたべもので、うまいものはない。
名は必ずしも実を伴わないことのたとえですが・・・
果たしてその真偽はどうなんでしょう??
もっとも個人差もあるでしょうが・・・。
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今日は久しぶりにスタジオからの放送になりました。
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ようやく梅雨明けし、夏本番になってきました。
夏休みに色々なところに旅行を計画されている方も多いと思います。
そこで、今日は旅につきものの「おみやげ」の話をしましょう。
「日本人はお土産好き」だと言われます。
確かに、旅行に出かけると、ついつい色んな物を買っちゃいますよね。
昨今話題になりましたが・・・伊勢の赤福、北海道の白い恋人、・・・・色んな土産物があります。
中には、パッケージだけが異なり中身は同じというようなものもあるみたいですが、やっぱり、 その土地ならではの「おみやげ」が一番ですね。
さて、「みやげ」を漢字で書くと「土産」ですが、実はこの二つ、もともと別の言葉だったそうです。
「みやげ」という言葉に、室町末期以降に「土産」の字があてられたとも言われています。
調べてみますと、「みやげ」は、もともとは「宮笥」なんだそうです。
「宮(みや)」は「お宮」ですね。神社のことです。
「笥(け)」は「食事を入れる器、食器。」のことだそうです。
お宮で使う食器と言えば、神さまのお食事(お供え物)をのせる土器が思い浮かびます。
この素焼きのお皿は「かわらけ」ともいいます。「かわらけ(瓦笥)」ですね。
また、「け」は食事そのものも指します。
神さまへのお供えは、 「御饌(みけ)」といいますし、一般でも「朝食(あさげ)」「夕食(ゆうげ)」と言ったりしますね。
「け」が「食器や食事」を表すことがお分かりいただけると思います。
少々脱線しますが・・・
現在でも神事の後には「直会(なおらい)」という行事を行います。
神さまにお供えした御神酒をお下げして、それを参列者全員でいただく儀式です。
神さまにお供えした物を、我々も一緒にいただくこと、神さまと同じ食事をすることによって、神さまと心を通じ合わせ、御神威や御利益をいただくことになるのです。
お宮参りや七五三などで神社にお参りした際、神社から御札や御守りと一緒に、「神饌」とか「撤饌」と書かれた食品を受けられたことのある方もみえるでしょう。
これも「直会」の信仰と同じです。神さまと同じ食事をすることに意味があるのです。
「おさがり」とも言いますね。
皆さんは伊勢神宮で御神楽をあげたことがありますか?
神楽殿で御神楽を奉納すると、最後に直会の御神酒をいただきます。
素焼きのかわらけでいただくのですが、使った「かわらけ」はそのままいただいて帰ります。
まさに「おみやげ」そのものですね。
話が「おみやげ」に戻ったところで、
「土産」についてお話ししましょう。
「土産」は「とさん」とか「どさん」と読みます。
文字通り、その土地の産物という意味です。
どうです?違いがお分かりでしょうか。
「みやげ」は、「お宮のおさがり」
「土産」は、「その土地の産物」
を表す言葉だったんですね。
もっとも、有名な大きな寺社には、多くの参詣者が集います。
その参詣者をあてこみ、その門前には市が立ちます。
「楽市楽座」なんてのも歴史で習ったんじゃないでしょうか。
そしてそれがやがて門前町に発展していきます。
その市や門前町で売られるのが、その土地の特産物なんですね。
参詣者はお参りのお下がりと共に、そこで特産物を買い求めたに違いありません。
そのあたりから、「みやげ」と「土産」が混同していったのではないかと思います。
古くは、旅といえば神仏詣でつまり寺社参拝旅行がメインでした。
弥次さん喜多さんの珍道中「東海道中膝栗毛」も、お伊勢まいりのお話しです。
熊野詣でや、善光寺まいりなどもそうですね。
御利益を求めての修行の意味もあったかも知れません。
今のように交通手段も発達していませんし、関所もありました。
何日もかけての参拝旅行ですから、お金もかなりかかります。
今のようにとても気楽にはいけません。
「旅=信仰」であったとも言えるでしょう。
もう一つ「代参」の制度もありますね。
伊勢講や秋葉講などを組織して、村の人々がお金を出し合い、交替で誰かがその講を代表して伊勢神宮などにお参りに行くというものです。
今尚、この代参が残っているところもあります。
代表してお参りするのですから、村の人たちの分も「神札」(いわゆる「おみやげ」ですね)などをうけて帰ります。そしてそれを土産話と共に村人に配るのです。
これが、旅立つ者へ餞別を渡す習慣、旅から帰ってお土産を近隣に配る習慣のもとになったとも考えられます。いかがでしょうか?
このようにみてみますと、「おみやげ(宮笥)」は、「参詣した寺社の御利益を近隣のひとに分け与えるもの」とも言えます。そこにあるのは敬虔な信仰心なんですね。
一方、信仰的な要素のない普通の贈り物、つまり今のおみやげに近い意味では、「つと(苞、苞苴)」という言葉がありました。 「家づと」とか「都のつと」と使います。
「つと」は「つつむ」「つつ」と同根のようですが、
元は、①「わらなどを束ねて、その中に魚・果実などの食品を包んだもの。」の意で、
転じて、②「他の場所に携えてゆき、また、旅先や出先などから携えて帰り、人に贈ったりなどするみやげもの。」の意になりました。
「おみやげ」は尊い贈り物、「つと」は普通の贈り物だったんですね。
「おみやげ」のもともとの意味をご理解いただけたでしょうか?
現在の「お土産」も、楽しい旅行の幸せな気分のお裾分けであることには変わりありませんが、それに信仰心をプラスして、 たとえ観光旅行であっても、その土地の寺社にお参りしていただければと思います。
日本全国色んなところにその土地をお守り下さっている神社があります。
是非、道中安全を祈願しがてら、その土地を訪れた御挨拶で、その土地の神社にお参りしてみてください。
そうすれば、普段の旅と一味ちがった、有り難い旅になると思います。
そして帰ってから配るお土産も神さまの御利益が加わって、さらに内容の濃い「お宮笥」になると思います。
「自分だけが楽しむのではなく、周りの人と幸せを分かち合う」
これが、日本人の良いところではないでしょうか?
そういえば・・・。
「名物に旨い物なし」という諺がありますね。
とかく名物といわれるたべもので、うまいものはない。
名は必ずしも実を伴わないことのたとえですが・・・
果たしてその真偽はどうなんでしょう??
もっとも個人差もあるでしょうが・・・。
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