黒き心を無くして、丹き心を以ちて、清潔く斎慎み、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り右に廻る事も万事違ふ事なくして、太神に仕へ奉れ。
元を元とし、本を本とする故なり。
当ブログ管理人の一文字です。
愛知県岡崎市の田舎神主。
融通の利かない頑固者です。
神社のこと、神道のこと、
世の中のこと、日々の出来事、
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目次
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FMおかざき76.3「心の宅急便」の76回目の放送です。
言霊シリーズの第4弾「え」の話です。
----------------------------------------------------------------------
みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週までの「あ」~「う」の話に続いて第4弾!「え」という言葉についてみてみましょ う。
さて、「え」というのは・・・・
と始めたいところですが、実はこの「え」というのは非常に難しいのです。
言霊とか、やまとことばを考えるときは、今の形で考えてはいけません。
出来るだけ古い形はどうだったのかを考えなければなりません。
で、この「え」について考えるときは、二つの「え」があることを見逃してはいけないんです。
何のこっちゃっとお思いの方も、ちょっとご辛抱下さいね。
まず、50音図を思い描いて下さい。
歴史的仮名遣では、ワ行の「ゐ」「ゑ」を書き分けますので、
このヤ行の「え」が問題なんです。
ア行の「え」に対し、ヤ行の「え」は「いぇ」のように発音されていたようですが、・・・
この二つの「え」は厳密に区別されていたんです。
このことを発見したのは、江戸時代の国学者の奥村栄実です。
奥村先生は万葉仮名を研究し、ア行の「え(衣)」とヤ行の「え(延)」の使い分けについて、その研究成果を
『古言衣延辨』に著しました。
万葉仮名のうち、・・・
■ア行の「え」で用いられるのは、
ひらがなの「え」は「衣」という漢字を崩したもので、カタカナの「エ」は「江」という漢字のつくりから来ています。
何かお気づきでしょうか?
そう。ひらがなの「え」はア行の「え」。カタカナの「エ」はヤ行の「エ」なんです。
「え~~~っ!」と驚きでしょうか?
「え?」とお思いでしょうか^^;
これは、本来別々の「え」だったものが、ひらがな、カタカナが作られる平安時代になると混同され、区別が無くなっていたということを意味しています。
いろは歌のような手習いの歌に、ア行の「え」とヤ行の「エ」が区別されていたとしたら、もしかしたら状況は変わっていたかも知れませんね。
このようにア行とヤ行の違いに注意しながら、「え」という言葉についてみてみましょう。
ただ、面白いことに「え」で始まる言葉ってそんなに多くないんです。
ご存じでした?
例えば、手元の某国語辞典。
ア行の「あ」「い」「う」「お」はどれも30頁~40頁の分量がありますが「え」はその半分の15頁ほど。
これは何を意味するんでしょう?
またこの中から漢語や外来語を除外し、和語・やまとことばを探すと本当に少ないですね。
それはさておき。
ア行の「え」についてみてみましょう。
まず、接頭語の「え」があります。
何じゃそれ?とお思いの方も多いでしょう。
古事記のイザナギ・イザナミの国生み神話に出てきます。
イザナギ・イザナミノミコトがプロポーズしたときの言葉です。
「あなにやし えをとこを」
「あなにやし えをとめを」
この「え」ですね。
愛らしいとか、愛しいという意味を表す接頭語です。
「なんてイイ男でしょう」
「なんてイイ女でしょう」
と求婚をされ、国生みをされたんですね。
可能の意味の副詞「え(得)」もありますね。
樹木の「えのき(榎)」の「え」もそうです。
この語源として、「エは枝で、枝の多い木であるから」というのもありますが、「枝」はヤ行の「エ」ですから、これはちょっと疑問が残ります。
また、「エリノキ(選木)の意。一里塚に植えさせたから〔名言通〕。」なんてのもあります。これは一理あるかな。
「えらぶ(選)」「える(選)」もア行の「え」です。
語源については「える(得)」に通じるとも言われます。
他には、「えぞ(蝦夷)」「えみし(蝦夷)」「えびす(夷)」
或いは、「えび(葡萄)」(「ぶどう(葡萄)」の古名。蝦蔓(えびづる))
なんてのもア行の「え」です。
う~ん。
ざっと見て、よく分かりません。
非常に難解な「え」ですね。
もう一つのヤ行の「エ」についてみてみましょう。
「え(江)」がありますね。
元来、川、海、湖、堀などの一般的な呼び名ですが、特に陸に入り込んでいる部分をさすことが多いそうです。
「入り江」の「え」ですね。
語源は、エ(枝)からといいます。湖や海の枝の意味でしょうか。
「え(枝)」もヤ行の「エ」です。
言うまでもなく、えだ(枝)のことですね。
この「え(枝)」から派生して、「え(柄)」もあります。
枝(え)から転じたものといい、手で持つために、器物に取り付けた棒状の部分ですね。
ひしゃくなどの「柄」です。
古語でお兄ちゃんのことを「え(兄)」といいます。
反対は「おと(弟)」ですね。
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の「え」ですね。
「えと(干支)」というのも、「え」は兄(え)、「と」は弟(おと)の意です。
また「えし(良・吉・善)」もそうです。
「よい(良)」の古形。よい。いい。すばらしい。という意味ですね。
ざっと見てきましたが、実はア行。ヤ行がはっきりしているのはこれぐらいなんです。
勿論、ア行かヤ行か区別の付かないものも沢山あります。
それだけ難解で分かりにくいのが「え」ということなんです。
「えさ(餌)」「えがお(笑顔)」とか「えくぼ」は?
そうですね。
この「え」はワ行の「ゑ」になりますから、またちょっと違いますね。
何だかとりとめもない話になってしまいましたが・・・・
「え?」「え~っ!」
と怒らないで下さいね。
「ええ」
と中には納得された方もいらっしゃるでしょうか。
「もう、ええ。」
と呆れられた方もみえるかも知れませんね。
う~ん。えも言われぬ気持ちでございます。
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言霊シリーズの第4弾「え」の話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週までの「あ」~「う」の話に続いて第4弾!「え」という言葉についてみてみましょ う。
さて、「え」というのは・・・・
と始めたいところですが、実はこの「え」というのは非常に難しいのです。
言霊とか、やまとことばを考えるときは、今の形で考えてはいけません。
出来るだけ古い形はどうだったのかを考えなければなりません。
で、この「え」について考えるときは、二つの「え」があることを見逃してはいけないんです。
何のこっちゃっとお思いの方も、ちょっとご辛抱下さいね。
まず、50音図を思い描いて下さい。
ア行 ・・・ あ い う え お
ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ (い) (う) (え) を
ですね。ヤ行にもワ行にも「え」があるはずですね。ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ (い) (う) (え) を
歴史的仮名遣では、ワ行の「ゐ」「ゑ」を書き分けますので、
ア行 ・・・ あ い う え お
ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ ゐ (う) ゑ を
となります。ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ ゐ (う) ゑ を
このヤ行の「え」が問題なんです。
ア行の「え」に対し、ヤ行の「え」は「いぇ」のように発音されていたようですが、・・・
この二つの「え」は厳密に区別されていたんです。
このことを発見したのは、江戸時代の国学者の奥村栄実です。
奥村先生は万葉仮名を研究し、ア行の「え(衣)」とヤ行の「え(延)」の使い分けについて、その研究成果を
『古言衣延辨』に著しました。
万葉仮名のうち、・・・
■ア行の「え」で用いられるのは、
愛・亞・埃・哀・衣・依・荏・得・榎
■ヤ行の「え」で用いられるのは、
叡・延・鹽・曳・要・遙・縁・睿・裔・江・枝・兄・吉・柄
であって、これらがキチンと区別されていたということです。ひらがなの「え」は「衣」という漢字を崩したもので、カタカナの「エ」は「江」という漢字のつくりから来ています。
何かお気づきでしょうか?
そう。ひらがなの「え」はア行の「え」。カタカナの「エ」はヤ行の「エ」なんです。
「え~~~っ!」と驚きでしょうか?
「え?」とお思いでしょうか^^;
これは、本来別々の「え」だったものが、ひらがな、カタカナが作られる平安時代になると混同され、区別が無くなっていたということを意味しています。
いろは歌のような手習いの歌に、ア行の「え」とヤ行の「エ」が区別されていたとしたら、もしかしたら状況は変わっていたかも知れませんね。
このようにア行とヤ行の違いに注意しながら、「え」という言葉についてみてみましょう。
ただ、面白いことに「え」で始まる言葉ってそんなに多くないんです。
ご存じでした?
例えば、手元の某国語辞典。
ア行の「あ」「い」「う」「お」はどれも30頁~40頁の分量がありますが「え」はその半分の15頁ほど。
これは何を意味するんでしょう?またこの中から漢語や外来語を除外し、和語・やまとことばを探すと本当に少ないですね。
それはさておき。
ア行の「え」についてみてみましょう。
まず、接頭語の「え」があります。
何じゃそれ?とお思いの方も多いでしょう。
古事記のイザナギ・イザナミの国生み神話に出てきます。
イザナギ・イザナミノミコトがプロポーズしたときの言葉です。
「あなにやし えをとこを」
「あなにやし えをとめを」
この「え」ですね。
愛らしいとか、愛しいという意味を表す接頭語です。
「なんてイイ男でしょう」
「なんてイイ女でしょう」
と求婚をされ、国生みをされたんですね。
可能の意味の副詞「え(得)」もありますね。
①あとに肯定表現を伴って用いる。よく…できる。
②あとに否定や反語の表現を伴って用いる。とても…できない。
②あとに否定や反語の表現を伴って用いる。とても…できない。
えも言わず・・・の「え」ですね。
樹木の「えのき(榎)」の「え」もそうです。
この語源として、「エは枝で、枝の多い木であるから」というのもありますが、「枝」はヤ行の「エ」ですから、これはちょっと疑問が残ります。
また、「エリノキ(選木)の意。一里塚に植えさせたから〔名言通〕。」なんてのもあります。これは一理あるかな。
「えらぶ(選)」「える(選)」もア行の「え」です。
語源については「える(得)」に通じるとも言われます。
他には、「えぞ(蝦夷)」「えみし(蝦夷)」「えびす(夷)」
或いは、「えび(葡萄)」(「ぶどう(葡萄)」の古名。蝦蔓(えびづる))
なんてのもア行の「え」です。
う~ん。
ざっと見て、よく分かりません。
非常に難解な「え」ですね。
もう一つのヤ行の「エ」についてみてみましょう。
「え(江)」がありますね。
元来、川、海、湖、堀などの一般的な呼び名ですが、特に陸に入り込んでいる部分をさすことが多いそうです。
「入り江」の「え」ですね。
語源は、エ(枝)からといいます。湖や海の枝の意味でしょうか。
「え(枝)」もヤ行の「エ」です。
言うまでもなく、えだ(枝)のことですね。
この「え(枝)」から派生して、「え(柄)」もあります。
枝(え)から転じたものといい、手で持つために、器物に取り付けた棒状の部分ですね。
ひしゃくなどの「柄」です。
古語でお兄ちゃんのことを「え(兄)」といいます。
反対は「おと(弟)」ですね。
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の「え」ですね。
「えと(干支)」というのも、「え」は兄(え)、「と」は弟(おと)の意です。
また「えし(良・吉・善)」もそうです。
「よい(良)」の古形。よい。いい。すばらしい。という意味ですね。
ざっと見てきましたが、実はア行。ヤ行がはっきりしているのはこれぐらいなんです。
勿論、ア行かヤ行か区別の付かないものも沢山あります。
それだけ難解で分かりにくいのが「え」ということなんです。
「えさ(餌)」「えがお(笑顔)」とか「えくぼ」は?
そうですね。
この「え」はワ行の「ゑ」になりますから、またちょっと違いますね。
何だかとりとめもない話になってしまいましたが・・・・
「え?」「え~っ!」
と怒らないで下さいね。
「ええ」
と中には納得された方もいらっしゃるでしょうか。
「もう、ええ。」
と呆れられた方もみえるかも知れませんね。
う~ん。えも言われぬ気持ちでございます。
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FMおかざき76.3「心の宅急便」の75回目の放送です。
言霊シリーズの第3弾「う」の話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先々週の「あ」、先週の「い」の話に続いて第3弾!「う」のつく言葉についてみてみましょう。
「う」にはア行の「う」とワ行の「う」(居(う)、座(う)など)がありますが、今日お話しするのは、先ずア行の「う」です。
さて・・・
皆さんが「う」のつく言葉で思いつくのは何でしょう?
うみ(海)、うえ(上)、うし(牛)、うつ(打)、うける(受)、うる(得)、・・・など
色々ありますね。
「う」一音でその名前になる動物は、ウサギの「う(卯)」や長良川の鵜飼いで有名な「う(鵜)」などがありますね。
「う(卯)」や「う(鵜)」は何故「う」なんでしょうか?
定説は無いようですが、「う」という言葉についてちょっと調べてみましょう。
先ず始めに、「うん」という言葉を見てみましょう。
もともとは「う(諾)」という言葉ですね。
これは言うまでもなく、承諾の意を表わす言葉です。お(諾)とも言うそうですが・・・。
いまでは「うん」です。これは「う(諾)」の音便形ですね。
「はい」よりもくだけた感じでしょうか。
でもこの「うん」にもう一つ「う」が付くと「ううん」になります。
これは否定の意味ですね。
「うん」がYESで、「ううん」がNO。面白いものです。
また「うん」の間を伸ばすと「う~ん」となります。
これはYESかNOか悩んでいる状態でしょうか。
実につかみどころのない「う」ですが、これは生物的に一番簡単に発することが出来る音が「う」ということかも知れませんね。
自然発生的につい発してしまう音の「う」ということでしょうか。
「う‐な・る 【唸・呻】」とか「う‐め・く 【呻】」という言葉もありますね。
「う~~~~」という「う」です。
踏ん張るときも「う」ですね。
さてさて、「うむ(産、生)」という言葉があります。
出産することですが、この「産む」とか「生まれる」というのは、「子を生む時に発するうなり声から出た語」というのが語源だそうです。
お母さんが「う~~~」といきむから、「うむ(産む)」なんだということですね。
なるほど。
また、「うひ(初)」という言葉。「初陣」とか「初産」の「初」ですね。
「最初。初め。」という意味ですが、この「うい(初)」は「生まれて初めて」の意なんだそうです。
この「うひ(初)」の「う」も、「産む」「生む」の「う」と繋がっています。
もしかしたら生命の源である「うみ(海)」も「産む」「生み」と何か関わりがあるような気もしますね。
いろいろと繋がっていきます。
「うみ」つながりで「うみ(膿)」という言葉がありますね。
傷口が化膿したときの「うみ(膿)」ですが、実は「うみじる(熟汁)」の略なんだそうです。
「うみ(膿)」は成熟するという意味の「う・む 【熟】」から来ているんですね。
生まれるのも「う」、成熟するのも「う」なんです。
さらに見ていくと、人が死ぬことを「うす(失)」とか「うせる(失)」といいます。
これも面白いですね。
「誕生」から「成長」「完熟」そして「死」まで、全てに関わる「う」です。
更に言えば、埋葬するのも「うむ(埋)」「うめる(埋)」なんです。
正にゆりかごから墓場まで、「う」なんですね。
更に更に・・・。
人一人の一生だけではありません。
「うじ(氏)」という言葉がありますね。
古くは「うぢ(氏)」と書きますが、この「うぢ(氏)」の語源は、ウミヂ(生路)の略かとも、ウミスヂ(生筋)から、あるいはウミツチ(生土)の意か、はたまたウチ(生血)かと色々考えられています。
ただ、全部「う(生)」なんですね。
「う」の「路」であり「筋」であり「地」であり「血」であるのが「うじ(氏)」。
地縁、血縁関係の一族、家族の絆を表すのがこの「うじ(氏)」です。
祖先を大切にする日本人の感覚は、この辺からも窺い知ることが出来ますね。
「氏神さま」とか「氏子」の「氏」も全く同じですね。
ちょっと目先を変えて「うえ[うへ]【上】」という言葉。
空間的に高い位置を意味しますし、物事の表面も意味します。「おもて」という意味ですね。
「うわべ」とか「うわぎ」「うわっつら」なんていう言葉をイメージすると分かりやすいですかね。
「うえ」の対義語は、古代から現代に至るまでやはり「した」ですが、中古から中世にかけて「うえ」は、表面の意も持っていたため、「うら」とも対義関係を持っていました。「うらうえ」という複合語がその証です。
でもこの対義関係は、中世頃から次第に「うら─おもて」という対義関係にとってかわられたと言います。
この「うへ(上)」に対する「うら(裏)」。
物事において、人の目にふれない部分を意味します。
そしてその意味から「心」という意味にもなります。
上代において同じく「心」の意をもつ「うら」と「した」のちがいは、「うら」が、意識して隠すつもりはなくても表面にはあらわれず隠れている心であるのに 対し、「した」は、表面にあらわすまいとしてこらえ隠している心であるとも言われています。
ややこしいですが、なかなか奥が深いですね。
「うらなひ(占)」は、神意をうかがうことですが、この「うら」もズバリ「神様の心」ということですね。
ちょっと怖いのが、「怨恨」。
「うら・む 【恨・怨・憾】」の語源は「うら(心)み(見)る」で、「自分に対する相手のやり方に不満をもちながらも、相手がどういう気持でいるのかを知りたくて、自分の不満をこらえている」というのが原義だともいわれています。
また「うら‐や・む 【羨】」は、「心(うら)病(や)む」の意だそうです。
心はキチンとしていなければなりませんが、「う」には空っぽの意味もあります。
「うつ(空)」です。「空蝉」の「うつ(空)」です。
この「うつ(空)」は、「うつほ(空・虚・洞)」だとか、「うつろ(空・虚・洞)だとか、「うつけ(空・虚)」という言葉とも関連していますね。
面白いですね。
さて、重たくて、マイナスのイメージのある事ばかりも行ってられませんね。
言霊の幸ふ国ですから。
もちろん「う」にもプラスのイメージのある言葉も沢山あります。
先ずは「う(得・獲)」ですね。「える(得)」と同義です。
「う・る(売)」というのもそうですね。
儲かりそうです。
「うるお・う[うるほふ]【潤・霑】なんかも良いですね。
楽しくなってきます。
そう。
「うれし・い 【嬉・快・歓】」もそうですね。
この「うれ」もさっきの「うら(心)」なんだそうです。
「うるわし・い[うるはしい] 【美・麗】」とか、「うつくし・い 【美・愛】」もありますね。
「うた 【歌・唄】」も良いですね。
このように見てきますと「う」にも色んな意味があります。
「十【う】十色」といった感じでしょうか。
最近、閉塞感のある世情ですが、「恨み」や「膿」だらけの世の中ではなくて、・・・・
人々が「潤い」、「美しい」自然や文化に囲まれ、「嬉し」くて、思わずみんなが「歌っちゃう」世の中になって欲しいものですね。
うん。
----------------------------------------------------------------------
言霊シリーズの第3弾「う」の話です。
----------------------------------------------------------------------
みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先々週の「あ」、先週の「い」の話に続いて第3弾!「う」のつく言葉についてみてみましょう。
「う」にはア行の「う」とワ行の「う」(居(う)、座(う)など)がありますが、今日お話しするのは、先ずア行の「う」です。
さて・・・
皆さんが「う」のつく言葉で思いつくのは何でしょう?
うみ(海)、うえ(上)、うし(牛)、うつ(打)、うける(受)、うる(得)、・・・など
色々ありますね。
「う」一音でその名前になる動物は、ウサギの「う(卯)」や長良川の鵜飼いで有名な「う(鵜)」などがありますね。
「う(卯)」や「う(鵜)」は何故「う」なんでしょうか?
定説は無いようですが、「う」という言葉についてちょっと調べてみましょう。
先ず始めに、「うん」という言葉を見てみましょう。
もともとは「う(諾)」という言葉ですね。
これは言うまでもなく、承諾の意を表わす言葉です。お(諾)とも言うそうですが・・・。
いまでは「うん」です。これは「う(諾)」の音便形ですね。
「はい」よりもくだけた感じでしょうか。
でもこの「うん」にもう一つ「う」が付くと「ううん」になります。
これは否定の意味ですね。
「うん」がYESで、「ううん」がNO。面白いものです。
また「うん」の間を伸ばすと「う~ん」となります。
これはYESかNOか悩んでいる状態でしょうか。
実につかみどころのない「う」ですが、これは生物的に一番簡単に発することが出来る音が「う」ということかも知れませんね。
自然発生的につい発してしまう音の「う」ということでしょうか。
「う‐な・る 【唸・呻】」とか「う‐め・く 【呻】」という言葉もありますね。
「う~~~~」という「う」です。
踏ん張るときも「う」ですね。
さてさて、「うむ(産、生)」という言葉があります。
出産することですが、この「産む」とか「生まれる」というのは、「子を生む時に発するうなり声から出た語」というのが語源だそうです。
お母さんが「う~~~」といきむから、「うむ(産む)」なんだということですね。
なるほど。
また、「うひ(初)」という言葉。「初陣」とか「初産」の「初」ですね。
「最初。初め。」という意味ですが、この「うい(初)」は「生まれて初めて」の意なんだそうです。
この「うひ(初)」の「う」も、「産む」「生む」の「う」と繋がっています。
もしかしたら生命の源である「うみ(海)」も「産む」「生み」と何か関わりがあるような気もしますね。
いろいろと繋がっていきます。
「うみ」つながりで「うみ(膿)」という言葉がありますね。
傷口が化膿したときの「うみ(膿)」ですが、実は「うみじる(熟汁)」の略なんだそうです。
「うみ(膿)」は成熟するという意味の「う・む 【熟】」から来ているんですね。
生まれるのも「う」、成熟するのも「う」なんです。
さらに見ていくと、人が死ぬことを「うす(失)」とか「うせる(失)」といいます。
これも面白いですね。
「誕生」から「成長」「完熟」そして「死」まで、全てに関わる「う」です。
更に言えば、埋葬するのも「うむ(埋)」「うめる(埋)」なんです。
正にゆりかごから墓場まで、「う」なんですね。
更に更に・・・。
人一人の一生だけではありません。
「うじ(氏)」という言葉がありますね。
古くは「うぢ(氏)」と書きますが、この「うぢ(氏)」の語源は、ウミヂ(生路)の略かとも、ウミスヂ(生筋)から、あるいはウミツチ(生土)の意か、はたまたウチ(生血)かと色々考えられています。
ただ、全部「う(生)」なんですね。
「う」の「路」であり「筋」であり「地」であり「血」であるのが「うじ(氏)」。
地縁、血縁関係の一族、家族の絆を表すのがこの「うじ(氏)」です。
祖先を大切にする日本人の感覚は、この辺からも窺い知ることが出来ますね。
「氏神さま」とか「氏子」の「氏」も全く同じですね。
ちょっと目先を変えて「うえ[うへ]【上】」という言葉。
空間的に高い位置を意味しますし、物事の表面も意味します。「おもて」という意味ですね。
「うわべ」とか「うわぎ」「うわっつら」なんていう言葉をイメージすると分かりやすいですかね。
「うえ」の対義語は、古代から現代に至るまでやはり「した」ですが、中古から中世にかけて「うえ」は、表面の意も持っていたため、「うら」とも対義関係を持っていました。「うらうえ」という複合語がその証です。
でもこの対義関係は、中世頃から次第に「うら─おもて」という対義関係にとってかわられたと言います。
この「うへ(上)」に対する「うら(裏)」。
物事において、人の目にふれない部分を意味します。
そしてその意味から「心」という意味にもなります。
上代において同じく「心」の意をもつ「うら」と「した」のちがいは、「うら」が、意識して隠すつもりはなくても表面にはあらわれず隠れている心であるのに 対し、「した」は、表面にあらわすまいとしてこらえ隠している心であるとも言われています。
ややこしいですが、なかなか奥が深いですね。
「うらなひ(占)」は、神意をうかがうことですが、この「うら」もズバリ「神様の心」ということですね。
ちょっと怖いのが、「怨恨」。
「うら・む 【恨・怨・憾】」の語源は「うら(心)み(見)る」で、「自分に対する相手のやり方に不満をもちながらも、相手がどういう気持でいるのかを知りたくて、自分の不満をこらえている」というのが原義だともいわれています。
また「うら‐や・む 【羨】」は、「心(うら)病(や)む」の意だそうです。
心はキチンとしていなければなりませんが、「う」には空っぽの意味もあります。
「うつ(空)」です。「空蝉」の「うつ(空)」です。
この「うつ(空)」は、「うつほ(空・虚・洞)」だとか、「うつろ(空・虚・洞)だとか、「うつけ(空・虚)」という言葉とも関連していますね。
面白いですね。
さて、重たくて、マイナスのイメージのある事ばかりも行ってられませんね。
言霊の幸ふ国ですから。
もちろん「う」にもプラスのイメージのある言葉も沢山あります。
先ずは「う(得・獲)」ですね。「える(得)」と同義です。
「う・る(売)」というのもそうですね。
儲かりそうです。
「うるお・う[うるほふ]【潤・霑】なんかも良いですね。
楽しくなってきます。
そう。
「うれし・い 【嬉・快・歓】」もそうですね。
この「うれ」もさっきの「うら(心)」なんだそうです。
「うるわし・い[うるはしい] 【美・麗】」とか、「うつくし・い 【美・愛】」もありますね。
「うた 【歌・唄】」も良いですね。
このように見てきますと「う」にも色んな意味があります。
「十【う】十色」といった感じでしょうか。
最近、閉塞感のある世情ですが、「恨み」や「膿」だらけの世の中ではなくて、・・・・
人々が「潤い」、「美しい」自然や文化に囲まれ、「嬉し」くて、思わずみんなが「歌っちゃう」世の中になって欲しいものですね。
うん。
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FMおかざき76.3「心の宅急便」の74回目の放送です。
先週の「あ」のお話に引き続き「い」のお話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週の「あ」の話に続いて第二弾!「い」のつく言葉についてみてみましょう。
「い」のつく言葉も色々ありますね。
いし(石)、いわ(岩)、いろ(色)、いけ(池)、いぬ(犬)、いた(板)、・・・・
ここで一つ注意しておかなければならないのは、「い」に3種類あると言うことです。
それは、
ア行の「い」「イ」… いのち、いね、息、寝ぬ、五十、今、…
ワ行の「ゐ」「ヰ」… 居る、井戸、…
ヤ行の「い」「イ」… 射る、鋳る、…
という3種類です。
今日は時間の都合もありますので、この中のア行の「い」についてみてみましょう。
「い」のつく言葉で最初に思いつくのは何でしょうか。
いろいろ有りますが、先ずは・・・そうですね、「いのち」という言葉。
「いのち(命)」というのは、「いのうち(息の内)」「いきのうち(息気の内)」というのが語源だそうです。
「いき(息)」は、呼吸のことですね。
「いきる(生)」も、息があって生きることが出来るといえますね。
「いのち」「いき」「いきる」の「い」はみんな同根だと考えられます。
生命にとって大切な「い」ということですね。
また、「いね(稲)」という言葉がありますね。この「いね」は「いのち(命)」の「ね(根)」という意味です。
お米は日本人の主食。神事にも欠かせません。
まさに日本人にとって生命の源というのが「いね(稲)」なんです。
天孫降臨の際、天照大御神さまは、皇孫瓊瓊杵尊に、籾種を授けられました。
そして現在でも宮中で、天皇陛下が稲作をなさっています。
神話の時代から連綿とつながる、日本文化の源が「い」なのかもしれません。
お米を炊いてご飯にします。これを昔の言葉で「いひ(飯)」と言います。
「飯田さん」や「飯島さん」の「イイ」ですね。
これも「い」です。
稲作と同様、日本人の生活、日本文化にとって重要なのが養蚕です。
天皇陛下が稲作をなさるように、皇后陛下は宮中で今も養蚕をされています。
この養蚕でつくるのが、そう、「いと(糸)」ですね。
「いと(糸)」は、繭、綿、麻、毛など、いろいろな繊維がありますが、もっとも大切なのはやはり御蚕さんの 「きいと(生糸)」でしょう。絹ですね。もちろん神事にも欠かせません。
こんな「いと(糸)」ですが、ここにも「い」があります。
さらに・・・
「食」と「衣」が出てきましたので・・・・
じゃあ「住」は?
そうです。「いえ(家)」ですね。
ほら。ここにも「い」がついています。
「いへ(家)」は住居、建物のことですが、それ以外にも家族。先祖から代々伝えてきた家族団体というつながりも意味します。「○○家」といった場合の「いへ(家)」ですね。
いかがでしょう。
衣食住すべてに「い」のつく言葉があります。
「い」が如何に大事な言葉かお分かりいただけたのではないでしょうか。
次に動詞について見てみましょう。
先ず「いう」という言葉です。
「いふ(言)」というのは、言葉として表現するということです。述べるとか、しゃべることですね。
もっと深く考えてみれば、「い」が「いのち」「いき」の「い」だとすれば、「い(息)」を表に出すことが「いふ(言)」なのかもしれませんね?
「息」は「生命」であり、「魂」であります。
言霊の信仰についてもお話ししましたが、正にそうですね。
言霊のこもった言葉を、息ともに発することが「いふ(言)」ということなんです。
次に「いる(入)」と「いず(出)」という言葉もあります。
対義語ですが、ともに「い」のつく言葉です。
「いる(入)」は、中に入ること。「息有る」が語源でしょうか。
「いづ(出)」は、外に出ること。「息出づ」が語源でしょうか。
動作以外に状態変化を表すこともありますので、補助動詞として・・・
「消え入る」「寝入る」「思い入る」「泣き入る」「痛み入る」…
「歩みいづ」「起きいづ」「逃げいづ」「降りいづ」…
などとも使われますね。
他にも・・・、
「い(寝)」という言葉があります。「ねむること。ねむり。睡眠。」を表しますが、
「いぬ(寝)」(名詞「い(寝)」と動詞「ぬ(寝)」との複合語)となって、「寝る。眠る。」という意味の動詞になります。
古文で「いを寝(ぬ)」「いも寝」「いの寝らえぬ」「いこそ寝られね」など、助詞を介して「い…ぬ」の形で 用いられるのをご存じの方も多いと思います。
その「い(寝)」ですね。
安眠は最高の休息でしょうか。
ここら辺にも「い(息)」と「い(寝)」が、つながるところがあるのかも知れませんね。
ちなみに「いぬ」つながりで、「いぬ(犬)」。
家畜となった最初の動物だともいわれています?
古事記や万葉集にも既に出てきます。
この「いぬ(犬)」の語源は、「いへ(家)」に「ぬ(寝)る」なんだそうです。
なるほど。
さらに、「五十」と書いてなんと読むでしょう。
答えは「い」です。
今で言うと、「五十嵐さん」「五十鈴さん」の「い(五十)」といったら分かりやすいでしょうかね。
「万葉集」には
「五十日太(いかだ)」(一・五〇)
「五十母不宿二(いも寝ずに)」(九・一七八七)
「五十寸手(生きて)」(一二・二九〇四)
「五十戸常 (言へど)」(四・六七四)
のように「五十」を借訓仮名の「イ」として用いた例が多数出てきます。
この「い(五十)」は、単に数字としての50という意味の他に、たくさんのという意味があります。
「五十瀬」という言葉があります。「たくさんの瀬」という意味ですが、「いせ」と読みます。
そしてこれが「伊勢」という地名の由来だという説もあります。
伊勢神宮の御手洗川も「五十鈴川」
う~ん。何か関係はあるのでしょうかねぇ。
少々話がそれましたが、「い」というのが、「いのち」「いき」の「い」であること。そして日本文化と深い関わりをもつ言葉に使われていることはおわかりいただけたと思います。
ここで、今の我が国の世情をみてみるといかがでしょう。
実に混沌としていますよね。
景気は芳しくなく、政治と金の問題もあります。
世界的に見ても、中国におされ、日本の国力も低下の一途を辿っているような気がします。
そんなことを思うと、力強い「いぶき(息吹)が今の日本には必要なんじゃないかな」という気がしてきます。
「いぶき(息吹)」は、
①息を吹くこと。呼吸。
②(神が息を吹く意で)風。
③(比喩的に用いて)活動をもよおす気分。生気。活気。
ですが、「い」にパワーのこもった「息吹」が必要かもしれませんね。
そうしたら、自ずと「いきおい(勢)」が出てくるはずです。
「いきほひ(勢)」は、「い(息)」+「きほふ(競)」です。
①他を圧倒する力。元気。活気。気勢。士気。
②政治力、経済力、武力などによる社会的な支配力。人を従わせる威徳。
③自然界のエネルギー。「火の勢い」「風の勢い」
ここにも強烈な「い」が必要なんです。
私共神主の仕事は「祈る」ことです。
この「いのり」「いのる」も「い」なんですね。
「いのる(祈)」というのは、言葉に出して請い願うことです。
「い」は「神聖」とか「斎」の意がありますし、「のる」は「宣る」という意で、「神の名を唱える」が原義だとも言われます。
また、「い(息)の(宣)る」とも考えられます。
「神聖なことばを、魂を込めて宣る」これが「祈り」であり「祈る」ことです。
まさに言霊信仰そのものですね。
私自身毎日、少しでもこの国が良い国になるよう祈り続けていきたいと思います。
ちなみに私の名字も「いな」ですから^^;
いろいろ見てきましたが、他にも「い」のつく言葉はたくさんあります。
「いし(石)」と「いは(岩)」、「いた(板)」「いも(芋)」「いそ(磯)」「いけ(池)」などなど。
色々探して、語源などを調べたり、関連を推理したりするのも楽しいですね。
来週は「う」の話の予定です。
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先週の「あ」のお話に引き続き「い」のお話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週の「あ」の話に続いて第二弾!「い」のつく言葉についてみてみましょう。
「い」のつく言葉も色々ありますね。
いし(石)、いわ(岩)、いろ(色)、いけ(池)、いぬ(犬)、いた(板)、・・・・
ここで一つ注意しておかなければならないのは、「い」に3種類あると言うことです。
それは、
ア行の「い」「イ」… いのち、いね、息、寝ぬ、五十、今、…
ワ行の「ゐ」「ヰ」… 居る、井戸、…
ヤ行の「い」「イ」… 射る、鋳る、…
という3種類です。
今日は時間の都合もありますので、この中のア行の「い」についてみてみましょう。
「い」のつく言葉で最初に思いつくのは何でしょうか。
いろいろ有りますが、先ずは・・・そうですね、「いのち」という言葉。
「いのち(命)」というのは、「いのうち(息の内)」「いきのうち(息気の内)」というのが語源だそうです。
「いき(息)」は、呼吸のことですね。
「いきる(生)」も、息があって生きることが出来るといえますね。
「いのち」「いき」「いきる」の「い」はみんな同根だと考えられます。
生命にとって大切な「い」ということですね。
また、「いね(稲)」という言葉がありますね。この「いね」は「いのち(命)」の「ね(根)」という意味です。
お米は日本人の主食。神事にも欠かせません。
まさに日本人にとって生命の源というのが「いね(稲)」なんです。
天孫降臨の際、天照大御神さまは、皇孫瓊瓊杵尊に、籾種を授けられました。
そして現在でも宮中で、天皇陛下が稲作をなさっています。
神話の時代から連綿とつながる、日本文化の源が「い」なのかもしれません。
お米を炊いてご飯にします。これを昔の言葉で「いひ(飯)」と言います。
「飯田さん」や「飯島さん」の「イイ」ですね。
これも「い」です。
稲作と同様、日本人の生活、日本文化にとって重要なのが養蚕です。
天皇陛下が稲作をなさるように、皇后陛下は宮中で今も養蚕をされています。
この養蚕でつくるのが、そう、「いと(糸)」ですね。
「いと(糸)」は、繭、綿、麻、毛など、いろいろな繊維がありますが、もっとも大切なのはやはり御蚕さんの 「きいと(生糸)」でしょう。絹ですね。もちろん神事にも欠かせません。
こんな「いと(糸)」ですが、ここにも「い」があります。
さらに・・・
「食」と「衣」が出てきましたので・・・・
じゃあ「住」は?
そうです。「いえ(家)」ですね。
ほら。ここにも「い」がついています。
「いへ(家)」は住居、建物のことですが、それ以外にも家族。先祖から代々伝えてきた家族団体というつながりも意味します。「○○家」といった場合の「いへ(家)」ですね。
いかがでしょう。
衣食住すべてに「い」のつく言葉があります。
「い」が如何に大事な言葉かお分かりいただけたのではないでしょうか。
次に動詞について見てみましょう。
先ず「いう」という言葉です。
「いふ(言)」というのは、言葉として表現するということです。述べるとか、しゃべることですね。
もっと深く考えてみれば、「い」が「いのち」「いき」の「い」だとすれば、「い(息)」を表に出すことが「いふ(言)」なのかもしれませんね?
「息」は「生命」であり、「魂」であります。
言霊の信仰についてもお話ししましたが、正にそうですね。
言霊のこもった言葉を、息ともに発することが「いふ(言)」ということなんです。
次に「いる(入)」と「いず(出)」という言葉もあります。
対義語ですが、ともに「い」のつく言葉です。
「いる(入)」は、中に入ること。「息有る」が語源でしょうか。
「いづ(出)」は、外に出ること。「息出づ」が語源でしょうか。
動作以外に状態変化を表すこともありますので、補助動詞として・・・
「消え入る」「寝入る」「思い入る」「泣き入る」「痛み入る」…
「歩みいづ」「起きいづ」「逃げいづ」「降りいづ」…
などとも使われますね。
他にも・・・、
「い(寝)」という言葉があります。「ねむること。ねむり。睡眠。」を表しますが、
「いぬ(寝)」(名詞「い(寝)」と動詞「ぬ(寝)」との複合語)となって、「寝る。眠る。」という意味の動詞になります。
古文で「いを寝(ぬ)」「いも寝」「いの寝らえぬ」「いこそ寝られね」など、助詞を介して「い…ぬ」の形で 用いられるのをご存じの方も多いと思います。
その「い(寝)」ですね。
安眠は最高の休息でしょうか。
ここら辺にも「い(息)」と「い(寝)」が、つながるところがあるのかも知れませんね。
ちなみに「いぬ」つながりで、「いぬ(犬)」。
家畜となった最初の動物だともいわれています?
古事記や万葉集にも既に出てきます。
この「いぬ(犬)」の語源は、「いへ(家)」に「ぬ(寝)る」なんだそうです。
なるほど。
さらに、「五十」と書いてなんと読むでしょう。
答えは「い」です。
今で言うと、「五十嵐さん」「五十鈴さん」の「い(五十)」といったら分かりやすいでしょうかね。
「万葉集」には
「五十日太(いかだ)」(一・五〇)
「五十母不宿二(いも寝ずに)」(九・一七八七)
「五十寸手(生きて)」(一二・二九〇四)
「五十戸常 (言へど)」(四・六七四)
のように「五十」を借訓仮名の「イ」として用いた例が多数出てきます。
この「い(五十)」は、単に数字としての50という意味の他に、たくさんのという意味があります。
「五十瀬」という言葉があります。「たくさんの瀬」という意味ですが、「いせ」と読みます。
そしてこれが「伊勢」という地名の由来だという説もあります。
伊勢神宮の御手洗川も「五十鈴川」
う~ん。何か関係はあるのでしょうかねぇ。
少々話がそれましたが、「い」というのが、「いのち」「いき」の「い」であること。そして日本文化と深い関わりをもつ言葉に使われていることはおわかりいただけたと思います。
ここで、今の我が国の世情をみてみるといかがでしょう。
実に混沌としていますよね。
景気は芳しくなく、政治と金の問題もあります。
世界的に見ても、中国におされ、日本の国力も低下の一途を辿っているような気がします。
そんなことを思うと、力強い「いぶき(息吹)が今の日本には必要なんじゃないかな」という気がしてきます。
「いぶき(息吹)」は、
①息を吹くこと。呼吸。
②(神が息を吹く意で)風。
③(比喩的に用いて)活動をもよおす気分。生気。活気。
ですが、「い」にパワーのこもった「息吹」が必要かもしれませんね。
そうしたら、自ずと「いきおい(勢)」が出てくるはずです。
「いきほひ(勢)」は、「い(息)」+「きほふ(競)」です。
①他を圧倒する力。元気。活気。気勢。士気。
②政治力、経済力、武力などによる社会的な支配力。人を従わせる威徳。
③自然界のエネルギー。「火の勢い」「風の勢い」
ここにも強烈な「い」が必要なんです。
私共神主の仕事は「祈る」ことです。
この「いのり」「いのる」も「い」なんですね。
「いのる(祈)」というのは、言葉に出して請い願うことです。
「い」は「神聖」とか「斎」の意がありますし、「のる」は「宣る」という意で、「神の名を唱える」が原義だとも言われます。
また、「い(息)の(宣)る」とも考えられます。
「神聖なことばを、魂を込めて宣る」これが「祈り」であり「祈る」ことです。
まさに言霊信仰そのものですね。
私自身毎日、少しでもこの国が良い国になるよう祈り続けていきたいと思います。
ちなみに私の名字も「いな」ですから^^;
いろいろ見てきましたが、他にも「い」のつく言葉はたくさんあります。
「いし(石)」と「いは(岩)」、「いた(板)」「いも(芋)」「いそ(磯)」「いけ(池)」などなど。
色々探して、語源などを調べたり、関連を推理したりするのも楽しいですね。
来週は「う」の話の予定です。
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FMおかざき76.3「心の宅急便」の73回目の放送です。
明日は楽しいひな祭り。
「あ」かりをつけましょぼんぼりに~♪
ということで、今日は、「あ」のお話です。
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先ず始めに、先日のチリでの大地震、被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに、行方不明の方々の一日も早い救出と、被災地の一日も早いご復興をお祈り申し上げます。
それにしても、現地の略奪行為の映像は衝撃的でした。
日本なら決してあんなことは起こらないだろうと思うと、国民性ということをつくづく考えさせられますね。
さて、私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先ずは最初ですから「あ」についてみてみましょう。
「あ」という言葉は・・・
すべての音の源であるとも言えます。
50音の始めの音ですね。
梵語でも「阿吽」というように最初に出てきます。
アルファベットのAもそうですね。
いろんな音の最初に来るのが「あ」と言うわけですから、それだけ基本的な言葉と言えます。
驚いたときの「あっ!」
感動したときの「ああ!」
落胆したときの「あぁ…」
安堵したときの「あぁ。」
いろんな「あ」があります。
赤ちゃんが最初に発するのも「アー、アー」ですね。
もっとも基本的な言葉と言えるでしょう。
そしていろんな意味合いで発せられるのが「あ」です。
人の基本的な感情・言霊の動きが「あ」とも言えるのではないでしょうか。
また、大切なものには「あ」がつくとも言われます。
例えば、「あめ」、「あま」がありますね。
神々のいらっしゃる世界を「高天原」といいます。「天」=「あめ」「あま」ですね。
「天地」を「あめつち」と読みます。
その「天から降ってくる水」も、「あめ(雨)」ですね。生命力の源の水です。
七五三で戴くのも「あめ(千歳飴)」これも関係があるでしょうか?
神様のお恵みを戴いて色々なものが生まれます。
「生まれる」ことを、「生(あ)れる」「生(あ)れ出でる」といいます。
これも「あ」ですね。
人や生物以外のもの、例えば現象などが生じることを「あらわれる(現・顕)」といいます。
これも「あ」です。
そして全てのものが存在することを、「あり(有)」「ある(有)」といいますね。
これも「あ」ですね。
伊勢の皇大神宮。
天照大御神さまの荒御魂(あらみたま)をおまつりする荒祭宮(あらまつりのみや)という別宮があります。
この「荒御魂」というのも「あ」ですね。
こうみてくると「あ」という言葉が、とても尊い言葉に見えてきますね。
二つの「あ」が出会い結びつくことを「あう」といいます。
「合う」「逢う」「遭う」「会う」などいろんな漢字が当てられますね。
あてる漢字が多いと言うことも、それだけ「あう」という言葉の持つ多様性を示していると言えましょう。
あ、「充てる」「当てる」も「あ」ですね。
我々がものを視覚で認識するには、光と色が必要ですね。
やまとことばには、色を表すことばが4つあります。
「あを」「あか」「しろ」「くろ」の4つです。
光の三原色=青・赤・緑(RGB)
色の三原色=青・赤・黄(CMY)
ですが、この「あを」「あか」がちゃんと入っていますね。
そしてこのふたつも「あ」のつく言葉です。
「あか」は、「赤」「明け」「明く」「明け」で、「くろ」の「黒」「暗し」「暮る」「暮れ」と対になっているようですね。
また、「あを」の示す色相は広くって、青だけでなく、緑・紫、さらに黒・白・灰色も含んだ幅広い色のようです。。
古くは、シロ(顕) アヲ(漠)と対立して、ほのかな光の感覚を示す「白雲・青雲」なんて言葉もありました。
さらにアカ(熟) アヲ(未熟)と対立して、未成熟状態を示したりもします。
複雑な関係になっていますが、「あ」が「あか」にも「あを」にもなる。そこがポイントだと思います。
もっと単純に「あ」そのものの意味を考えてみましょう。
「あ」には、「あ(吾)」という意味があります。
一人称の「私」ですね。「あれ」とか「われ」のことです。
なんでも「わ(我)」よりも私的、親密なのが「あ」だそうです。「あたし」と「わたし」で考えれば分かりやすいでしょうか。
その一方で、「あ」には、「あ(彼)」という遠くのものをさして言う意味があります。「あれ」「かれ」のことですね。
「あれ」・「それ」・「これ」、「あの」・「その」・「この」というときの「あ」です。
「あ」の距離感、面白いと思いませんか?
あるときは最も近い自分を差し、あるときは遠いものを差す。
遠近の両面性とでもいいましょうか。これもポイントです。
「あ」には、「畔」「畦」という意味もあります。
田んぼの畦(あぜ)のことですね。
「畔放ち(あはなち)」といえば、素戔嗚尊が高天原で犯した大罪(天つ罪)の一つです。
「あ」がとても大切なものだということを示しています。
人の身体にも大切な「あ」があります。
そう「あたま」ですね。
「あたま」は、「あ(天)」+「たま(玉)」でしょうか。
人は頭から生まれてきます。
「あたま」の善し悪しがその人生を左右したりもします。
その反対が「あし」です。
「はし(端)」が語源かとも言われますが、これも「あ」がつきますね。
ひとはその「あし」でしっかり立って、自立した人生をおくらなければなりません。
ということは・・・
人は「あめ(天)」の神様から、尊い魂(いのち)を授かって、
「あたま」から「あ(生)れ出でる」
そして成長し、自らの「あし」でしっかりと自立した状態で「有ら」なければならない。
ということでしょうか。
「あ」という言葉についてみてきましたが、色んな意味、時には正反対の意味が含まれることが分かりました。
「あを(青)」や「あか(赤)」。
「あに(兄)」や「あね(姉)」もそうですね。
でもこれが重要なんです。
如何に「深み」があるかということですね。
皆さんも色々と、考えてみて下さい。
きっと色々な発見があると思いますよ。
言霊というのは、現代の子育てにも有効です。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」
ということと、「子供は叱るのではなく、褒めて育てろ」というのは同じ事ですね。
「馬鹿だ」「駄目だ」と言われ続けた子はそうなっちゃうんです。
「良い子だ」「すごいね」「よくやった」と褒め続けなくちゃ行けませんね。
なかなか出来ることではないんですが(笑)
ちなみに「アホ」というのは決して悪い言葉ではありません。
かつて平城天皇の第一皇子は「阿保親王」でした。
大阪の松原市には「阿保神社」という天神様をおまつりする神社があります。
皇子や神社の名前に、悪い言葉は使いませんよね。
事実、「あほ」はもともと「母」とか「乳母」を意味する言葉だったようです。
いつまでも「母」や「乳母」の庇護が必要だから、おバカさんという意味になったのか、母が無償の愛を子に与える姿から純粋なと意味で「阿呆」となったのかわかりませんが、言葉を考えるときは、やっぱりその元々の姿というか意味合いをしっかり調べて考えないといけませんね。
いろいろ面白いものです。
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これから、ちょっとシリーズ化してみようかと思います。
次は・・・。
明日は楽しいひな祭り。
「あ」かりをつけましょぼんぼりに~♪
ということで、今日は、「あ」のお話です。
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先ず始めに、先日のチリでの大地震、被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに、行方不明の方々の一日も早い救出と、被災地の一日も早いご復興をお祈り申し上げます。
それにしても、現地の略奪行為の映像は衝撃的でした。
日本なら決してあんなことは起こらないだろうと思うと、国民性ということをつくづく考えさせられますね。
さて、私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先ずは最初ですから「あ」についてみてみましょう。
「あ」という言葉は・・・
すべての音の源であるとも言えます。
50音の始めの音ですね。
梵語でも「阿吽」というように最初に出てきます。
アルファベットのAもそうですね。
いろんな音の最初に来るのが「あ」と言うわけですから、それだけ基本的な言葉と言えます。
驚いたときの「あっ!」
感動したときの「ああ!」
落胆したときの「あぁ…」
安堵したときの「あぁ。」
いろんな「あ」があります。
赤ちゃんが最初に発するのも「アー、アー」ですね。
もっとも基本的な言葉と言えるでしょう。
そしていろんな意味合いで発せられるのが「あ」です。
人の基本的な感情・言霊の動きが「あ」とも言えるのではないでしょうか。
また、大切なものには「あ」がつくとも言われます。
例えば、「あめ」、「あま」がありますね。
神々のいらっしゃる世界を「高天原」といいます。「天」=「あめ」「あま」ですね。
「天地」を「あめつち」と読みます。
その「天から降ってくる水」も、「あめ(雨)」ですね。生命力の源の水です。
七五三で戴くのも「あめ(千歳飴)」これも関係があるでしょうか?
神様のお恵みを戴いて色々なものが生まれます。
「生まれる」ことを、「生(あ)れる」「生(あ)れ出でる」といいます。
これも「あ」ですね。
人や生物以外のもの、例えば現象などが生じることを「あらわれる(現・顕)」といいます。
これも「あ」です。
そして全てのものが存在することを、「あり(有)」「ある(有)」といいますね。
これも「あ」ですね。
伊勢の皇大神宮。
天照大御神さまの荒御魂(あらみたま)をおまつりする荒祭宮(あらまつりのみや)という別宮があります。
この「荒御魂」というのも「あ」ですね。
こうみてくると「あ」という言葉が、とても尊い言葉に見えてきますね。
二つの「あ」が出会い結びつくことを「あう」といいます。
「合う」「逢う」「遭う」「会う」などいろんな漢字が当てられますね。
あてる漢字が多いと言うことも、それだけ「あう」という言葉の持つ多様性を示していると言えましょう。
あ、「充てる」「当てる」も「あ」ですね。
我々がものを視覚で認識するには、光と色が必要ですね。
やまとことばには、色を表すことばが4つあります。
「あを」「あか」「しろ」「くろ」の4つです。
光の三原色=青・赤・緑(RGB)
色の三原色=青・赤・黄(CMY)
ですが、この「あを」「あか」がちゃんと入っていますね。
そしてこのふたつも「あ」のつく言葉です。
「あか」は、「赤」「明け」「明く」「明け」で、「くろ」の「黒」「暗し」「暮る」「暮れ」と対になっているようですね。
また、「あを」の示す色相は広くって、青だけでなく、緑・紫、さらに黒・白・灰色も含んだ幅広い色のようです。。
古くは、シロ(顕) アヲ(漠)と対立して、ほのかな光の感覚を示す「白雲・青雲」なんて言葉もありました。
さらにアカ(熟) アヲ(未熟)と対立して、未成熟状態を示したりもします。
複雑な関係になっていますが、「あ」が「あか」にも「あを」にもなる。そこがポイントだと思います。
もっと単純に「あ」そのものの意味を考えてみましょう。
「あ」には、「あ(吾)」という意味があります。
一人称の「私」ですね。「あれ」とか「われ」のことです。
なんでも「わ(我)」よりも私的、親密なのが「あ」だそうです。「あたし」と「わたし」で考えれば分かりやすいでしょうか。
その一方で、「あ」には、「あ(彼)」という遠くのものをさして言う意味があります。「あれ」「かれ」のことですね。
「あれ」・「それ」・「これ」、「あの」・「その」・「この」というときの「あ」です。
「あ」の距離感、面白いと思いませんか?
あるときは最も近い自分を差し、あるときは遠いものを差す。
遠近の両面性とでもいいましょうか。これもポイントです。
「あ」には、「畔」「畦」という意味もあります。
田んぼの畦(あぜ)のことですね。
「畔放ち(あはなち)」といえば、素戔嗚尊が高天原で犯した大罪(天つ罪)の一つです。
「あ」がとても大切なものだということを示しています。
人の身体にも大切な「あ」があります。
そう「あたま」ですね。
「あたま」は、「あ(天)」+「たま(玉)」でしょうか。
人は頭から生まれてきます。
「あたま」の善し悪しがその人生を左右したりもします。
その反対が「あし」です。
「はし(端)」が語源かとも言われますが、これも「あ」がつきますね。
ひとはその「あし」でしっかり立って、自立した人生をおくらなければなりません。
ということは・・・
人は「あめ(天)」の神様から、尊い魂(いのち)を授かって、
「あたま」から「あ(生)れ出でる」
そして成長し、自らの「あし」でしっかりと自立した状態で「有ら」なければならない。
ということでしょうか。
「あ」という言葉についてみてきましたが、色んな意味、時には正反対の意味が含まれることが分かりました。
「あを(青)」や「あか(赤)」。
「あに(兄)」や「あね(姉)」もそうですね。
でもこれが重要なんです。
如何に「深み」があるかということですね。
皆さんも色々と、考えてみて下さい。
きっと色々な発見があると思いますよ。
言霊というのは、現代の子育てにも有効です。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」
ということと、「子供は叱るのではなく、褒めて育てろ」というのは同じ事ですね。
「馬鹿だ」「駄目だ」と言われ続けた子はそうなっちゃうんです。
「良い子だ」「すごいね」「よくやった」と褒め続けなくちゃ行けませんね。
なかなか出来ることではないんですが(笑)
ちなみに「アホ」というのは決して悪い言葉ではありません。
かつて平城天皇の第一皇子は「阿保親王」でした。
大阪の松原市には「阿保神社」という天神様をおまつりする神社があります。
皇子や神社の名前に、悪い言葉は使いませんよね。
事実、「あほ」はもともと「母」とか「乳母」を意味する言葉だったようです。
いつまでも「母」や「乳母」の庇護が必要だから、おバカさんという意味になったのか、母が無償の愛を子に与える姿から純粋なと意味で「阿呆」となったのかわかりませんが、言葉を考えるときは、やっぱりその元々の姿というか意味合いをしっかり調べて考えないといけませんね。
いろいろ面白いものです。
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これから、ちょっとシリーズ化してみようかと思います。
次は・・・。
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