黒き心を無くして、丹き心を以ちて、清潔く斎慎み、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り右に廻る事も万事違ふ事なくして、太神に仕へ奉れ。
元を元とし、本を本とする故なり。
当ブログ管理人の一文字です。
愛知県岡崎市の田舎神主。
融通の利かない頑固者です。
神社のこと、神道のこと、
世の中のこと、日々の出来事、
家族のこと、などなど。
私、一文字が、
気分次第で記していきます。
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「心の宅急便」
毎週火曜日、お昼の12時45分から出演しています^^;
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- 2010年03月09日の記事
FMおかざき76.3「心の宅急便」の74回目の放送です。
先週の「あ」のお話に引き続き「い」のお話です。
----------------------------------------------------------------------
みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週の「あ」の話に続いて第二弾!「い」のつく言葉についてみてみましょう。
「い」のつく言葉も色々ありますね。
いし(石)、いわ(岩)、いろ(色)、いけ(池)、いぬ(犬)、いた(板)、・・・・
ここで一つ注意しておかなければならないのは、「い」に3種類あると言うことです。
それは、
ア行の「い」「イ」… いのち、いね、息、寝ぬ、五十、今、…
ワ行の「ゐ」「ヰ」… 居る、井戸、…
ヤ行の「い」「イ」… 射る、鋳る、…
という3種類です。
今日は時間の都合もありますので、この中のア行の「い」についてみてみましょう。
「い」のつく言葉で最初に思いつくのは何でしょうか。
いろいろ有りますが、先ずは・・・そうですね、「いのち」という言葉。
「いのち(命)」というのは、「いのうち(息の内)」「いきのうち(息気の内)」というのが語源だそうです。
「いき(息)」は、呼吸のことですね。
「いきる(生)」も、息があって生きることが出来るといえますね。
「いのち」「いき」「いきる」の「い」はみんな同根だと考えられます。
生命にとって大切な「い」ということですね。
また、「いね(稲)」という言葉がありますね。この「いね」は「いのち(命)」の「ね(根)」という意味です。
お米は日本人の主食。神事にも欠かせません。
まさに日本人にとって生命の源というのが「いね(稲)」なんです。
天孫降臨の際、天照大御神さまは、皇孫瓊瓊杵尊に、籾種を授けられました。
そして現在でも宮中で、天皇陛下が稲作をなさっています。
神話の時代から連綿とつながる、日本文化の源が「い」なのかもしれません。
お米を炊いてご飯にします。これを昔の言葉で「いひ(飯)」と言います。
「飯田さん」や「飯島さん」の「イイ」ですね。
これも「い」です。
稲作と同様、日本人の生活、日本文化にとって重要なのが養蚕です。
天皇陛下が稲作をなさるように、皇后陛下は宮中で今も養蚕をされています。
この養蚕でつくるのが、そう、「いと(糸)」ですね。
「いと(糸)」は、繭、綿、麻、毛など、いろいろな繊維がありますが、もっとも大切なのはやはり御蚕さんの 「きいと(生糸)」でしょう。絹ですね。もちろん神事にも欠かせません。
こんな「いと(糸)」ですが、ここにも「い」があります。
さらに・・・
「食」と「衣」が出てきましたので・・・・
じゃあ「住」は?
そうです。「いえ(家)」ですね。
ほら。ここにも「い」がついています。
「いへ(家)」は住居、建物のことですが、それ以外にも家族。先祖から代々伝えてきた家族団体というつながりも意味します。「○○家」といった場合の「いへ(家)」ですね。
いかがでしょう。
衣食住すべてに「い」のつく言葉があります。
「い」が如何に大事な言葉かお分かりいただけたのではないでしょうか。
次に動詞について見てみましょう。
先ず「いう」という言葉です。
「いふ(言)」というのは、言葉として表現するということです。述べるとか、しゃべることですね。
もっと深く考えてみれば、「い」が「いのち」「いき」の「い」だとすれば、「い(息)」を表に出すことが「いふ(言)」なのかもしれませんね?
「息」は「生命」であり、「魂」であります。
言霊の信仰についてもお話ししましたが、正にそうですね。
言霊のこもった言葉を、息ともに発することが「いふ(言)」ということなんです。
次に「いる(入)」と「いず(出)」という言葉もあります。
対義語ですが、ともに「い」のつく言葉です。
「いる(入)」は、中に入ること。「息有る」が語源でしょうか。
「いづ(出)」は、外に出ること。「息出づ」が語源でしょうか。
動作以外に状態変化を表すこともありますので、補助動詞として・・・
「消え入る」「寝入る」「思い入る」「泣き入る」「痛み入る」…
「歩みいづ」「起きいづ」「逃げいづ」「降りいづ」…
などとも使われますね。
他にも・・・、
「い(寝)」という言葉があります。「ねむること。ねむり。睡眠。」を表しますが、
「いぬ(寝)」(名詞「い(寝)」と動詞「ぬ(寝)」との複合語)となって、「寝る。眠る。」という意味の動詞になります。
古文で「いを寝(ぬ)」「いも寝」「いの寝らえぬ」「いこそ寝られね」など、助詞を介して「い…ぬ」の形で 用いられるのをご存じの方も多いと思います。
その「い(寝)」ですね。
安眠は最高の休息でしょうか。
ここら辺にも「い(息)」と「い(寝)」が、つながるところがあるのかも知れませんね。
ちなみに「いぬ」つながりで、「いぬ(犬)」。
家畜となった最初の動物だともいわれています?
古事記や万葉集にも既に出てきます。
この「いぬ(犬)」の語源は、「いへ(家)」に「ぬ(寝)る」なんだそうです。
なるほど。
さらに、「五十」と書いてなんと読むでしょう。
答えは「い」です。
今で言うと、「五十嵐さん」「五十鈴さん」の「い(五十)」といったら分かりやすいでしょうかね。
「万葉集」には
「五十日太(いかだ)」(一・五〇)
「五十母不宿二(いも寝ずに)」(九・一七八七)
「五十寸手(生きて)」(一二・二九〇四)
「五十戸常 (言へど)」(四・六七四)
のように「五十」を借訓仮名の「イ」として用いた例が多数出てきます。
この「い(五十)」は、単に数字としての50という意味の他に、たくさんのという意味があります。
「五十瀬」という言葉があります。「たくさんの瀬」という意味ですが、「いせ」と読みます。
そしてこれが「伊勢」という地名の由来だという説もあります。
伊勢神宮の御手洗川も「五十鈴川」
う~ん。何か関係はあるのでしょうかねぇ。
少々話がそれましたが、「い」というのが、「いのち」「いき」の「い」であること。そして日本文化と深い関わりをもつ言葉に使われていることはおわかりいただけたと思います。
ここで、今の我が国の世情をみてみるといかがでしょう。
実に混沌としていますよね。
景気は芳しくなく、政治と金の問題もあります。
世界的に見ても、中国におされ、日本の国力も低下の一途を辿っているような気がします。
そんなことを思うと、力強い「いぶき(息吹)が今の日本には必要なんじゃないかな」という気がしてきます。
「いぶき(息吹)」は、
①息を吹くこと。呼吸。
②(神が息を吹く意で)風。
③(比喩的に用いて)活動をもよおす気分。生気。活気。
ですが、「い」にパワーのこもった「息吹」が必要かもしれませんね。
そうしたら、自ずと「いきおい(勢)」が出てくるはずです。
「いきほひ(勢)」は、「い(息)」+「きほふ(競)」です。
①他を圧倒する力。元気。活気。気勢。士気。
②政治力、経済力、武力などによる社会的な支配力。人を従わせる威徳。
③自然界のエネルギー。「火の勢い」「風の勢い」
ここにも強烈な「い」が必要なんです。
私共神主の仕事は「祈る」ことです。
この「いのり」「いのる」も「い」なんですね。
「いのる(祈)」というのは、言葉に出して請い願うことです。
「い」は「神聖」とか「斎」の意がありますし、「のる」は「宣る」という意で、「神の名を唱える」が原義だとも言われます。
また、「い(息)の(宣)る」とも考えられます。
「神聖なことばを、魂を込めて宣る」これが「祈り」であり「祈る」ことです。
まさに言霊信仰そのものですね。
私自身毎日、少しでもこの国が良い国になるよう祈り続けていきたいと思います。
ちなみに私の名字も「いな」ですから^^;
いろいろ見てきましたが、他にも「い」のつく言葉はたくさんあります。
「いし(石)」と「いは(岩)」、「いた(板)」「いも(芋)」「いそ(磯)」「いけ(池)」などなど。
色々探して、語源などを調べたり、関連を推理したりするのも楽しいですね。
来週は「う」の話の予定です。
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先週の「あ」のお話に引き続き「い」のお話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週の「あ」の話に続いて第二弾!「い」のつく言葉についてみてみましょう。
「い」のつく言葉も色々ありますね。
いし(石)、いわ(岩)、いろ(色)、いけ(池)、いぬ(犬)、いた(板)、・・・・
ここで一つ注意しておかなければならないのは、「い」に3種類あると言うことです。
それは、
ア行の「い」「イ」… いのち、いね、息、寝ぬ、五十、今、…
ワ行の「ゐ」「ヰ」… 居る、井戸、…
ヤ行の「い」「イ」… 射る、鋳る、…
という3種類です。
今日は時間の都合もありますので、この中のア行の「い」についてみてみましょう。
「い」のつく言葉で最初に思いつくのは何でしょうか。
いろいろ有りますが、先ずは・・・そうですね、「いのち」という言葉。
「いのち(命)」というのは、「いのうち(息の内)」「いきのうち(息気の内)」というのが語源だそうです。
「いき(息)」は、呼吸のことですね。
「いきる(生)」も、息があって生きることが出来るといえますね。
「いのち」「いき」「いきる」の「い」はみんな同根だと考えられます。
生命にとって大切な「い」ということですね。
また、「いね(稲)」という言葉がありますね。この「いね」は「いのち(命)」の「ね(根)」という意味です。
お米は日本人の主食。神事にも欠かせません。
まさに日本人にとって生命の源というのが「いね(稲)」なんです。
天孫降臨の際、天照大御神さまは、皇孫瓊瓊杵尊に、籾種を授けられました。
そして現在でも宮中で、天皇陛下が稲作をなさっています。
神話の時代から連綿とつながる、日本文化の源が「い」なのかもしれません。
お米を炊いてご飯にします。これを昔の言葉で「いひ(飯)」と言います。
「飯田さん」や「飯島さん」の「イイ」ですね。
これも「い」です。
稲作と同様、日本人の生活、日本文化にとって重要なのが養蚕です。
天皇陛下が稲作をなさるように、皇后陛下は宮中で今も養蚕をされています。
この養蚕でつくるのが、そう、「いと(糸)」ですね。
「いと(糸)」は、繭、綿、麻、毛など、いろいろな繊維がありますが、もっとも大切なのはやはり御蚕さんの 「きいと(生糸)」でしょう。絹ですね。もちろん神事にも欠かせません。
こんな「いと(糸)」ですが、ここにも「い」があります。
さらに・・・
「食」と「衣」が出てきましたので・・・・
じゃあ「住」は?
そうです。「いえ(家)」ですね。
ほら。ここにも「い」がついています。
「いへ(家)」は住居、建物のことですが、それ以外にも家族。先祖から代々伝えてきた家族団体というつながりも意味します。「○○家」といった場合の「いへ(家)」ですね。
いかがでしょう。
衣食住すべてに「い」のつく言葉があります。
「い」が如何に大事な言葉かお分かりいただけたのではないでしょうか。
次に動詞について見てみましょう。
先ず「いう」という言葉です。
「いふ(言)」というのは、言葉として表現するということです。述べるとか、しゃべることですね。
もっと深く考えてみれば、「い」が「いのち」「いき」の「い」だとすれば、「い(息)」を表に出すことが「いふ(言)」なのかもしれませんね?
「息」は「生命」であり、「魂」であります。
言霊の信仰についてもお話ししましたが、正にそうですね。
言霊のこもった言葉を、息ともに発することが「いふ(言)」ということなんです。
次に「いる(入)」と「いず(出)」という言葉もあります。
対義語ですが、ともに「い」のつく言葉です。
「いる(入)」は、中に入ること。「息有る」が語源でしょうか。
「いづ(出)」は、外に出ること。「息出づ」が語源でしょうか。
動作以外に状態変化を表すこともありますので、補助動詞として・・・
「消え入る」「寝入る」「思い入る」「泣き入る」「痛み入る」…
「歩みいづ」「起きいづ」「逃げいづ」「降りいづ」…
などとも使われますね。
他にも・・・、
「い(寝)」という言葉があります。「ねむること。ねむり。睡眠。」を表しますが、
「いぬ(寝)」(名詞「い(寝)」と動詞「ぬ(寝)」との複合語)となって、「寝る。眠る。」という意味の動詞になります。
古文で「いを寝(ぬ)」「いも寝」「いの寝らえぬ」「いこそ寝られね」など、助詞を介して「い…ぬ」の形で 用いられるのをご存じの方も多いと思います。
その「い(寝)」ですね。
安眠は最高の休息でしょうか。
ここら辺にも「い(息)」と「い(寝)」が、つながるところがあるのかも知れませんね。
ちなみに「いぬ」つながりで、「いぬ(犬)」。
家畜となった最初の動物だともいわれています?
古事記や万葉集にも既に出てきます。
この「いぬ(犬)」の語源は、「いへ(家)」に「ぬ(寝)る」なんだそうです。
なるほど。
さらに、「五十」と書いてなんと読むでしょう。
答えは「い」です。
今で言うと、「五十嵐さん」「五十鈴さん」の「い(五十)」といったら分かりやすいでしょうかね。
「万葉集」には
「五十日太(いかだ)」(一・五〇)
「五十母不宿二(いも寝ずに)」(九・一七八七)
「五十寸手(生きて)」(一二・二九〇四)
「五十戸常 (言へど)」(四・六七四)
のように「五十」を借訓仮名の「イ」として用いた例が多数出てきます。
この「い(五十)」は、単に数字としての50という意味の他に、たくさんのという意味があります。
「五十瀬」という言葉があります。「たくさんの瀬」という意味ですが、「いせ」と読みます。
そしてこれが「伊勢」という地名の由来だという説もあります。
伊勢神宮の御手洗川も「五十鈴川」
う~ん。何か関係はあるのでしょうかねぇ。
少々話がそれましたが、「い」というのが、「いのち」「いき」の「い」であること。そして日本文化と深い関わりをもつ言葉に使われていることはおわかりいただけたと思います。
ここで、今の我が国の世情をみてみるといかがでしょう。
実に混沌としていますよね。
景気は芳しくなく、政治と金の問題もあります。
世界的に見ても、中国におされ、日本の国力も低下の一途を辿っているような気がします。
そんなことを思うと、力強い「いぶき(息吹)が今の日本には必要なんじゃないかな」という気がしてきます。
「いぶき(息吹)」は、
①息を吹くこと。呼吸。
②(神が息を吹く意で)風。
③(比喩的に用いて)活動をもよおす気分。生気。活気。
ですが、「い」にパワーのこもった「息吹」が必要かもしれませんね。
そうしたら、自ずと「いきおい(勢)」が出てくるはずです。
「いきほひ(勢)」は、「い(息)」+「きほふ(競)」です。
①他を圧倒する力。元気。活気。気勢。士気。
②政治力、経済力、武力などによる社会的な支配力。人を従わせる威徳。
③自然界のエネルギー。「火の勢い」「風の勢い」
ここにも強烈な「い」が必要なんです。
私共神主の仕事は「祈る」ことです。
この「いのり」「いのる」も「い」なんですね。
「いのる(祈)」というのは、言葉に出して請い願うことです。
「い」は「神聖」とか「斎」の意がありますし、「のる」は「宣る」という意で、「神の名を唱える」が原義だとも言われます。
また、「い(息)の(宣)る」とも考えられます。
「神聖なことばを、魂を込めて宣る」これが「祈り」であり「祈る」ことです。
まさに言霊信仰そのものですね。
私自身毎日、少しでもこの国が良い国になるよう祈り続けていきたいと思います。
ちなみに私の名字も「いな」ですから^^;
いろいろ見てきましたが、他にも「い」のつく言葉はたくさんあります。
「いし(石)」と「いは(岩)」、「いた(板)」「いも(芋)」「いそ(磯)」「いけ(池)」などなど。
色々探して、語源などを調べたり、関連を推理したりするのも楽しいですね。
来週は「う」の話の予定です。
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