黒き心を無くして、丹き心を以ちて、清潔く斎慎み、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り右に廻る事も万事違ふ事なくして、太神に仕へ奉れ。
元を元とし、本を本とする故なり。
当ブログ管理人の一文字です。
愛知県岡崎市の田舎神主。
融通の利かない頑固者です。
神社のこと、神道のこと、
世の中のこと、日々の出来事、
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私、一文字が、
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- 2010年03月23日の記事
FMおかざき76.3「心の宅急便」の76回目の放送です。
言霊シリーズの第4弾「え」の話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週までの「あ」~「う」の話に続いて第4弾!「え」という言葉についてみてみましょ う。
さて、「え」というのは・・・・
と始めたいところですが、実はこの「え」というのは非常に難しいのです。
言霊とか、やまとことばを考えるときは、今の形で考えてはいけません。
出来るだけ古い形はどうだったのかを考えなければなりません。
で、この「え」について考えるときは、二つの「え」があることを見逃してはいけないんです。
何のこっちゃっとお思いの方も、ちょっとご辛抱下さいね。
まず、50音図を思い描いて下さい。
歴史的仮名遣では、ワ行の「ゐ」「ゑ」を書き分けますので、
このヤ行の「え」が問題なんです。
ア行の「え」に対し、ヤ行の「え」は「いぇ」のように発音されていたようですが、・・・
この二つの「え」は厳密に区別されていたんです。
このことを発見したのは、江戸時代の国学者の奥村栄実です。
奥村先生は万葉仮名を研究し、ア行の「え(衣)」とヤ行の「え(延)」の使い分けについて、その研究成果を
『古言衣延辨』に著しました。
万葉仮名のうち、・・・
■ア行の「え」で用いられるのは、
ひらがなの「え」は「衣」という漢字を崩したもので、カタカナの「エ」は「江」という漢字のつくりから来ています。
何かお気づきでしょうか?
そう。ひらがなの「え」はア行の「え」。カタカナの「エ」はヤ行の「エ」なんです。
「え~~~っ!」と驚きでしょうか?
「え?」とお思いでしょうか^^;
これは、本来別々の「え」だったものが、ひらがな、カタカナが作られる平安時代になると混同され、区別が無くなっていたということを意味しています。
いろは歌のような手習いの歌に、ア行の「え」とヤ行の「エ」が区別されていたとしたら、もしかしたら状況は変わっていたかも知れませんね。
このようにア行とヤ行の違いに注意しながら、「え」という言葉についてみてみましょう。
ただ、面白いことに「え」で始まる言葉ってそんなに多くないんです。
ご存じでした?
例えば、手元の某国語辞典。
ア行の「あ」「い」「う」「お」はどれも30頁~40頁の分量がありますが「え」はその半分の15頁ほど。
これは何を意味するんでしょう?
またこの中から漢語や外来語を除外し、和語・やまとことばを探すと本当に少ないですね。
それはさておき。
ア行の「え」についてみてみましょう。
まず、接頭語の「え」があります。
何じゃそれ?とお思いの方も多いでしょう。
古事記のイザナギ・イザナミの国生み神話に出てきます。
イザナギ・イザナミノミコトがプロポーズしたときの言葉です。
「あなにやし えをとこを」
「あなにやし えをとめを」
この「え」ですね。
愛らしいとか、愛しいという意味を表す接頭語です。
「なんてイイ男でしょう」
「なんてイイ女でしょう」
と求婚をされ、国生みをされたんですね。
可能の意味の副詞「え(得)」もありますね。
樹木の「えのき(榎)」の「え」もそうです。
この語源として、「エは枝で、枝の多い木であるから」というのもありますが、「枝」はヤ行の「エ」ですから、これはちょっと疑問が残ります。
また、「エリノキ(選木)の意。一里塚に植えさせたから〔名言通〕。」なんてのもあります。これは一理あるかな。
「えらぶ(選)」「える(選)」もア行の「え」です。
語源については「える(得)」に通じるとも言われます。
他には、「えぞ(蝦夷)」「えみし(蝦夷)」「えびす(夷)」
或いは、「えび(葡萄)」(「ぶどう(葡萄)」の古名。蝦蔓(えびづる))
なんてのもア行の「え」です。
う~ん。
ざっと見て、よく分かりません。
非常に難解な「え」ですね。
もう一つのヤ行の「エ」についてみてみましょう。
「え(江)」がありますね。
元来、川、海、湖、堀などの一般的な呼び名ですが、特に陸に入り込んでいる部分をさすことが多いそうです。
「入り江」の「え」ですね。
語源は、エ(枝)からといいます。湖や海の枝の意味でしょうか。
「え(枝)」もヤ行の「エ」です。
言うまでもなく、えだ(枝)のことですね。
この「え(枝)」から派生して、「え(柄)」もあります。
枝(え)から転じたものといい、手で持つために、器物に取り付けた棒状の部分ですね。
ひしゃくなどの「柄」です。
古語でお兄ちゃんのことを「え(兄)」といいます。
反対は「おと(弟)」ですね。
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の「え」ですね。
「えと(干支)」というのも、「え」は兄(え)、「と」は弟(おと)の意です。
また「えし(良・吉・善)」もそうです。
「よい(良)」の古形。よい。いい。すばらしい。という意味ですね。
ざっと見てきましたが、実はア行。ヤ行がはっきりしているのはこれぐらいなんです。
勿論、ア行かヤ行か区別の付かないものも沢山あります。
それだけ難解で分かりにくいのが「え」ということなんです。
「えさ(餌)」「えがお(笑顔)」とか「えくぼ」は?
そうですね。
この「え」はワ行の「ゑ」になりますから、またちょっと違いますね。
何だかとりとめもない話になってしまいましたが・・・・
「え?」「え~っ!」
と怒らないで下さいね。
「ええ」
と中には納得された方もいらっしゃるでしょうか。
「もう、ええ。」
と呆れられた方もみえるかも知れませんね。
う~ん。えも言われぬ気持ちでございます。
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言霊シリーズの第4弾「え」の話です。
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みなさんこんにちは。
私たちの日本は「言霊の幸ふ国」と言われてきました。
「言霊(ことだま)」というのは、「言葉に宿る霊的な力」のことです。
「善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす」という信仰ですね。
これは、「言(こと)」=「事(こと)」という考えから来ています。
この言霊信仰は、我々神主が神前に奏上する「祝詞(のりと)」や、忌み言葉などにみられます。
そこで、色々な「言葉」について考えてみたいと思います。
先週までの「あ」~「う」の話に続いて第4弾!「え」という言葉についてみてみましょ う。
さて、「え」というのは・・・・
と始めたいところですが、実はこの「え」というのは非常に難しいのです。
言霊とか、やまとことばを考えるときは、今の形で考えてはいけません。
出来るだけ古い形はどうだったのかを考えなければなりません。
で、この「え」について考えるときは、二つの「え」があることを見逃してはいけないんです。
何のこっちゃっとお思いの方も、ちょっとご辛抱下さいね。
まず、50音図を思い描いて下さい。
ア行 ・・・ あ い う え お
ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ (い) (う) (え) を
ですね。ヤ行にもワ行にも「え」があるはずですね。ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ (い) (う) (え) を
歴史的仮名遣では、ワ行の「ゐ」「ゑ」を書き分けますので、
ア行 ・・・ あ い う え お
ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ ゐ (う) ゑ を
となります。ヤ行 ・・・ や (い) ゆ (え) よ
ワ行 ・・・ わ ゐ (う) ゑ を
このヤ行の「え」が問題なんです。
ア行の「え」に対し、ヤ行の「え」は「いぇ」のように発音されていたようですが、・・・
この二つの「え」は厳密に区別されていたんです。
このことを発見したのは、江戸時代の国学者の奥村栄実です。
奥村先生は万葉仮名を研究し、ア行の「え(衣)」とヤ行の「え(延)」の使い分けについて、その研究成果を
『古言衣延辨』に著しました。
万葉仮名のうち、・・・
■ア行の「え」で用いられるのは、
愛・亞・埃・哀・衣・依・荏・得・榎
■ヤ行の「え」で用いられるのは、
叡・延・鹽・曳・要・遙・縁・睿・裔・江・枝・兄・吉・柄
であって、これらがキチンと区別されていたということです。ひらがなの「え」は「衣」という漢字を崩したもので、カタカナの「エ」は「江」という漢字のつくりから来ています。
何かお気づきでしょうか?
そう。ひらがなの「え」はア行の「え」。カタカナの「エ」はヤ行の「エ」なんです。
「え~~~っ!」と驚きでしょうか?
「え?」とお思いでしょうか^^;
これは、本来別々の「え」だったものが、ひらがな、カタカナが作られる平安時代になると混同され、区別が無くなっていたということを意味しています。
いろは歌のような手習いの歌に、ア行の「え」とヤ行の「エ」が区別されていたとしたら、もしかしたら状況は変わっていたかも知れませんね。
このようにア行とヤ行の違いに注意しながら、「え」という言葉についてみてみましょう。
ただ、面白いことに「え」で始まる言葉ってそんなに多くないんです。
ご存じでした?
例えば、手元の某国語辞典。
ア行の「あ」「い」「う」「お」はどれも30頁~40頁の分量がありますが「え」はその半分の15頁ほど。
これは何を意味するんでしょう?またこの中から漢語や外来語を除外し、和語・やまとことばを探すと本当に少ないですね。
それはさておき。
ア行の「え」についてみてみましょう。
まず、接頭語の「え」があります。
何じゃそれ?とお思いの方も多いでしょう。
古事記のイザナギ・イザナミの国生み神話に出てきます。
イザナギ・イザナミノミコトがプロポーズしたときの言葉です。
「あなにやし えをとこを」
「あなにやし えをとめを」
この「え」ですね。
愛らしいとか、愛しいという意味を表す接頭語です。
「なんてイイ男でしょう」
「なんてイイ女でしょう」
と求婚をされ、国生みをされたんですね。
可能の意味の副詞「え(得)」もありますね。
①あとに肯定表現を伴って用いる。よく…できる。
②あとに否定や反語の表現を伴って用いる。とても…できない。
②あとに否定や反語の表現を伴って用いる。とても…できない。
えも言わず・・・の「え」ですね。
樹木の「えのき(榎)」の「え」もそうです。
この語源として、「エは枝で、枝の多い木であるから」というのもありますが、「枝」はヤ行の「エ」ですから、これはちょっと疑問が残ります。
また、「エリノキ(選木)の意。一里塚に植えさせたから〔名言通〕。」なんてのもあります。これは一理あるかな。
「えらぶ(選)」「える(選)」もア行の「え」です。
語源については「える(得)」に通じるとも言われます。
他には、「えぞ(蝦夷)」「えみし(蝦夷)」「えびす(夷)」
或いは、「えび(葡萄)」(「ぶどう(葡萄)」の古名。蝦蔓(えびづる))
なんてのもア行の「え」です。
う~ん。
ざっと見て、よく分かりません。
非常に難解な「え」ですね。
もう一つのヤ行の「エ」についてみてみましょう。
「え(江)」がありますね。
元来、川、海、湖、堀などの一般的な呼び名ですが、特に陸に入り込んでいる部分をさすことが多いそうです。
「入り江」の「え」ですね。
語源は、エ(枝)からといいます。湖や海の枝の意味でしょうか。
「え(枝)」もヤ行の「エ」です。
言うまでもなく、えだ(枝)のことですね。
この「え(枝)」から派生して、「え(柄)」もあります。
枝(え)から転じたものといい、手で持つために、器物に取り付けた棒状の部分ですね。
ひしゃくなどの「柄」です。
古語でお兄ちゃんのことを「え(兄)」といいます。
反対は「おと(弟)」ですね。
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の「え」ですね。
「えと(干支)」というのも、「え」は兄(え)、「と」は弟(おと)の意です。
また「えし(良・吉・善)」もそうです。
「よい(良)」の古形。よい。いい。すばらしい。という意味ですね。
ざっと見てきましたが、実はア行。ヤ行がはっきりしているのはこれぐらいなんです。
勿論、ア行かヤ行か区別の付かないものも沢山あります。
それだけ難解で分かりにくいのが「え」ということなんです。
「えさ(餌)」「えがお(笑顔)」とか「えくぼ」は?
そうですね。
この「え」はワ行の「ゑ」になりますから、またちょっと違いますね。
何だかとりとめもない話になってしまいましたが・・・・
「え?」「え~っ!」
と怒らないで下さいね。
「ええ」
と中には納得された方もいらっしゃるでしょうか。
「もう、ええ。」
と呆れられた方もみえるかも知れませんね。
う~ん。えも言われぬ気持ちでございます。
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