FMおかざき76.3「心の宅急便」の68回目の放送です。
今週と来週、2週間掛けて「節分の話」をさせていただきます。
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1月も、もう末となってまいりました。来週は節分ですね。
そこで、節分にちなんだお話をさせていただこうかと思います。
「節分」というのは、辞書をひきますと、
①季節の変わり目。四季それぞれの季節の分かれる日。立春、立夏、立秋、立冬の前日をさす。せちぶ。せちぶん。
②特に立春の前日。四季のうち、冬から春になる時を一年の境と考えた時期があり、大晦日(おおみそか)と同類の年越行事が行なわれる。近代はこの夜、ヒイラ ギの枝にイワシの頭を刺したものを戸口にはさみ、節分豆と称して、煎った大豆をまいて、厄払いの行事を行なう。せちぶ。せちぶん。《季・冬》
(日本国語大辞典)
とあります。
そうなんです。「節分」は年に4回あるんですね。
文字通り「季節の分かれ目」ですから、立春、立夏、立秋、立冬それぞれの前日が「節分」なんです。
その中でも特に一年の始まりでもある「立春の前日の節分」が重要視されてきたんですね。
陰陽道や、四柱推命や風水などの占いでは、節分までは前年に属し、立春をもって年が変わるとしています。
ちなみに、節分は2月3日になることが多いですが、2日や4日になることもあります。
「立春」が「太陽黄経が315度を含む1日」となっているからですね。
ところで、「年内立春」といって、旧暦では、年によっては年が明けるよりも先に立春が来ることがあります。
『古今和歌集』の巻頭に以下のような歌があります。
年のうちに 春は來にけり 一年(ひととせ)を
去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ
これは珍しいことではなくて、およそ2年に1回回ってくるようですね。
今年も 立春→2月4日 旧暦1月1日→2月14日 だそうです。
こんなことも影響したのでしょうか、旧暦の元日を迎えるための大晦日の諸行事と、立春を迎えるための節分行事は様々に混同が起きやすかったと言えます。
十二月の大祓、追儺行事、鬼やらい、厄祓い、土牛童子、物忌みなど・・・
色々なものが重なりあって今に伝わる大晦日や節分の行事ができあがってきています。
節分行事のことを理解しようとする時に、このことはしっかりと抑えておく必要がありますね。
さて、今の「豆撒き」などの節分行事の起源は、宮中で行われた「追儺(ついな)」の儀式にあります。
それが、寺社で広く行われるようになりました。もとは大晦日の行事でした。
そして、室町時代ぐらいから、「節分」にその追儺の行事が行われるようになっていきます。
「追儺(ついな)」というのは、
①朝廷の年中行事の一つ。大晦日の夜、悪鬼を追いはらうための儀式。疫病その他の災難を追放しようとするもので、古く 中国に始まり、わが国では慶雲三年(七〇六)に初めて行なわれ、次第に社寺・民間でも行なわれるに至った。後世は節分の夜、豆をまいて禍を追う行事となっ た。おにやらい。なやらい。な。《季・冬》
*延喜式〔927〕四三・春宮坊「凡十二月晦日戌時追儺。坊官率 品官舎人等 候 南門外 。兵衛開門如 常。内裏儺声如発、大夫以下各執 桃弓葦矢 」
*紫式部日記〔1010頃か〕寛弘五年一二月三〇日「つこもりの夜、ついなはいととくはてぬれば」
*徒然草〔1331頃〕一九「追儺より四方拝につづくこそ、面白けれ」
(日本国語大辞典)
というものです。
桃の弓や葦の矢で鬼やらいをしたんですね。
そしてこの「追儺」の行事が、時代の変遷を経て、「節分の豆撒き」に発展していきます。
豆撒きについては、皆さんもご存じでしょう。
節分の夜、「福は内、鬼は外」と唱えながら、煎(い)った豆をまくこと。まめうち。まめはやし。《季・冬》
(日本国語大辞典)
というのものですね。
災いを祓い、新年の幸せを祈る行事です。
なぜ「豆」なんでしょう?
魔の目(魔目=まめ)に豆を投げつけて、魔を滅する(魔滅=まめ)
とも言われます。また、昔々、京都鞍馬山に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけて退治したという話もあるようです。
さらに、煎り大豆である理由は、「煎る」「炒る」が「射る」に通じることとか、拾い忘れた大豆から芽が出てしまうと「災いの芽が出る」ということで縁起が悪いからといったものがあります。
豆は撒くだけではなく、「歳の数だけ食べる」とか「歳の数より一つ多く食べる」という習慣があります。
これは、豆の力で、身体の中の鬼やらいという意味もあるんだと思います。
ならば、寺社で戴く「福豆」がそれにはピッタリですね。
神仏のお力のこもった豆で行えば、更なるパワーを戴けそうです。
スーパーなどで購入した豆で行う場合でも、先ずは神棚にお供えするなどされた方がよろしかろうと思います。
では、誰がまくのでしょうか?
本来は家長や長男が一家を代表して撒くものでした。
あるいは家族の中で、厄年だとか年男年女のものが勤めたりもしました。
時代の趨勢か、最近では父親は鬼役なのかもしれませんね。
その善し悪しは別として、家族みんなで行い、それぞれの厄を祓うことも意義あることだと思います。
ちなみに、岡崎天満宮の節分祭では、参詣者全員に豆撒きをしていただきます。
また、落花生を使うこともありますね。
片付けが楽だから?でしょうか。
幼稚園や保育園の豆撒きで多いような気もします。
これには、アレルギーの問題もありますので充分気をつけて欲しいと思いますが、いずれにしても、その理由が「楽だから」というのであれば、それはちょっとどうなのかとも思います。
まあ、やらないよりは良いですが・・・。
節分といえば、「鰯の頭」と「柊」などもありますね。
鰯の頭はその悪臭で、柊の葉はその先のとがったところで、鬼を追い払うというものです。
にんにくや、ネギ、髪の毛という地方もあるようです。
いずれも邪気を祓うためのものです。
調べてみると、もっと沢山地方色豊かな節分行事が出てくると思います。
それだけ、生活に密着した年中行事だということでしょうか。
ところで「恵方巻き」というのが最近流行しています。
丸かぶり寿司ともいいますね。
その年の恵方に向かって太巻き寿司を食べるんだそうですが・・・。
もともと大阪?の方のお寿司屋さんだか海苔屋さんが仕掛けたもののようですが、私個人的には、どうも商業主義的な感じがして、違和感を感じます。節分本来の行事ではないような気がします。
大手スーパーやコンビニ等の影響もあるんでしょう。
こんな訴訟まで出てきてしまっています。
節分巻きずし「招福巻」呼び名は一般的 イオン逆転勝訴
2010年1月23日13時12分 asahi.com
節分用の巻きずしを 「招福巻」の名称で販売した大手スーパー「イオン」(千葉市)と、同名の商標登録を持つ大阪の老舗(しにせ)すし店「すし萬」側が商標権の侵害にあたるか どうかをめぐって争った訴訟の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。塩月秀平裁判長は、「招福巻」は巻きずしの名称として一般化していると判断。イオン による商標権侵害を認めた一審判決を変更し、イオン側逆転勝訴の判決を言い渡した。
判決は「招福巻」の名称は全国のスーパーや百貨店で広く使われており、社会的にも特定業者の商標とは認識されていないと指摘。商標法が独占的使用の例外とする「普通名称」にあたると判断した。
判決によると、すし萬(1653年創業)の運営会社「小鯛雀鮨鮨萬(こだいすずめずしすしまん)」(本社・大阪市西区)は古くから「招福巻」を販売し、 1988年に商標登録。イオンは06、07年の節分の時期、全国の店舗で「十二単(ひとえ)の招福巻」の名称で巻きずしを販売した。
08年10月の一審・大阪地裁判決は、提訴したすし萬側の訴えを認め、イオンに商標使用料など約51万円の支払いを命じていた。
本当に御利益あるんでしょうか?
挙句の果てには、恵方ロールパン、恵方ロールケーキなども登場しているようですし、ここまでくると便乗商法ですね。
さらには、「○○神社ご祈祷済みの海苔使用」を謳った恵方巻きを売り出す業者もあるようです。
神仏さまを商売に利用する不敬な行為だと私は思います。
もっとも、このようなご時世で、各社色々工夫をされてご商売をされることを批判しているわけではありませんが、豆撒きより太巻きで済ませた方が「楽だから」で、伝統的な節分行事が衰退していってしまうことを危惧しているわけです。
「節分」にはやっぱり「豆撒き」ですよね。
皆さんはいかがお考えでしょうか。
続きは、また来週。
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